スコット・ペリー議員(共和党、ペンシルベニア州)は、情報機関内の一部が政府が回収した墜落UFOの情報を隠していた可能性があり、その情報が兵器開発に利用される可能性があるという事実を、米国国民が知る権利があると主張した。
ペリー議員は、内部告発者の主張に強く反応した。内部告発者は、未確認飛行現象(UAP、以前はUFOと呼ばれていた)に関する情報が「合議会の正当な監視を意図的に妨害するために秘密にされている」と主張。
「真実は、それが何であれ、どんなテーマであれ、議会の廊下でもなく、ワシントンD.C.のどこかのビルの中でもなく、米国国民に属するべきだ」とペリー議員は6月6日にエポックタイムズに語った。
「ここは米国国民の政府だ。ワシントンD.C.で働く人たちのではない。彼らは情報の管理者だ」
この告発は、連邦政府への国民の信頼が低下している時期に浮上してきたものであり、数年前であれば疑いの目で受け取られる可能性があった主張に重みを加えている。
秘密裏に行われたUAPプログラム
元情報機関職員でアフガニスタン戦争の退役軍人であるデビッド・グラッシュ氏は、6月5日、秘密裏に行われたUAPプログラムに関する機密情報を、議会と情報機関監察委員会に提供したと主張した。
グラッシュ氏によると、この情報は米国が無傷なもの、または部分的に無傷の、人類のものでない宇宙船を収集したと証明しているという。
グラッシュ氏は、自分の行動に対して報復を受けたと主張し、内部告発を行うに至った。
このことは最初に米国の科学メディア「ザ・デブリーフ(The Debrief)」によって報道された。これによると、他の情報関係者も同様の証言や裏付け情報を提供している。また、グラッシュ氏は6月5日の米国メディアの「ニュースネイション(NewsNation)」のインタビューでも自身の主張を語った。しかし、両メディアの記者は、グラッシュ氏が所持していると主張する証拠は確認できなかったと述べた。
デブリーフ紙によると、グラッシュ氏は以前、国家地理空間情報局と国家偵察局に勤務し、2019年から2021年まで米国防総省の未確認物体を扱う専門組織「UAPタスクフォース(UAPTF)」に所属していた。
グラッシュ氏によると、米国とその同盟国は数十年にわたり、宇宙人の遺体も含め、人類のものでない宇宙船の一部や無傷の遺体を回収してきたという。
「着陸や墜落した機体を回収すると、当然、パイロットの死体に遭遇することがある。信じられないだろうし、空想に聞こえるかもしれないが、本当なんだ」とグラッシュ氏は「ニュースネイション(NewsNation)」の記者に語った。「私たちは決して宇宙で唯一の知的生命ではない」
グラッシュ氏は、匿名の情報関係者から提供された「かなりの数の」人類のものでない装置や機器を証拠としてを見た、と主張した。その匿名の情報関係者は、ある極秘プログラムの一員であったという。
研究開発の価値
スタンフォード大学のギャリー・ノーラン教授は、他の生命体によって開発された技術の発見は、人類の発展に深い影響を与える可能性があると思っている。
科学メディア「ザ・デブリーフ(The Debrief)」はノーラン教授の話を引用して報じた。「ここに示されているものは、我々がこれから進むべき技術革新の何百倍も先をゆく可能性を秘めているかもしれないし、それはパソコンのマイクロプロセッサが成し遂げたこと以上に、大きな変革になるかもしれない。他の生命体がどのように活動するかについて少しでも分かれば、私たちに何ができるかを想像できるだろう」
他の生命体の知識は、防衛産業に影響を与える可能性がある。
2023年の国防権限法案は、国防長官に「未確認の異常現象に関連するあらゆる事象の報告を許可する安全性の高い仕組み」を構築するよう指示した。
この異常現象には、「資材回収、構造や成分の分析、リバースエンジニアリング、検出された成分の追跡、研究開発や運用テスト、運用の安全性に関する保安措置とその施行」などが含まれている。
この法律では、国防長官に対して、「軍事および情報関連のシステムやプログラム、活動について、特別なアクセス権や区分されたアクセスプログラムといった全てのカテゴリやレベルに渡って、その情報が不適切に公に報告されたり、漏洩したりすることを防ぐ」責任があることが、明確に示されている。
米メディア「ニューヨークタイムズ」によると、一部の議員やその他の当局者は、2019年以来、回収された外来物質を含むUAPについて説明を受けている。
国防総省の広報担当者は、オールドメイン異常解決事務所(AARO)はそのようなリバースエンジニアリングについて何らの知識も持っていないと主張している。
国防総省の広報担当者であるスー・ゴフ氏は6月6日にエポックタイムズに語った。
「現時点では、AAROは過去または現在において、地球外物質の所持やリバースエンジニアリングに関連するいかなるプログラムに関しても、確証できる情報を発見していない」
「AAROは、歴史的な調査に関連する情報を持っていると信じている元または現職の政府従業員または請負業者と話をする機会を歓迎する」と表明した。
議員の反応
グラッシュ氏の主張が公にされた翌日、複数の議員はエポックタイムズに、この疑惑やその真偽について全く知らなかったと語ったが、それが気になる議員もいた。
民主党幹部会議長であるピーター・アギュラー氏は、記者会見でこの主張について問われた際、「これは私が予想していた質問リストにはなかった質問だ」と答えた。
「オールドメイン異常解決事務所(AARO)に関する委員会の公聴会があり、パブリックセッションで証言した防衛関係者もいた。今後も会話や証言が続くと想像するが、これ以上付け加えることはない」と述べた。
ダグ・ラマルファ議員は、内部告発の事実を知らされ、困惑の表情を浮かべた。
一瞬考えた後、 「まず、この告発者が信頼できる情報源であることを確認しよう。適切に機密情報にアクセスできる「セキュリティクリアランス」を持つ人々が直接面接を行い、いくつかの証拠を収集し、それから適切な措置を取る必要があると思う」と述べた。
バディ・カーター議員は「それを聞いたことはない。しかし、もしそうであれば、確かに懸念すべきことだ」と語った。
ナンシー・メイス議員は「それについては何も知らない」と答えた。
グラッシュ氏の主張の真偽を判断する立場にある議員の中には、エポックタイムズに情報を提供しなかった人もいる。
ヴァージニア州民主党のマーク・ワーナー上院議員(上院情報委員会委員長)の広報担当者はコメントを控えた。また、上院情報委員会有力議員のマルコ・ルビオ上院議員も、記事公開時点でのコメント要請に返答しなかった。ニューヨーク州民主党のキルステン・ジルブランド上院議員も同様である。
ホワイトハウスの広報担当者はこの質問に対し、国防総省に回答するよう答えた。
この記事には、ジャクソン・リッチマン(Jackson Richman)、サマンサ・フロム(Samantha Flom)、マダリナ・ヴァシリウ(Madalina Vasiliu)が寄稿した。
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