[広島市 19日 ロイター] – 岸田文雄首相は主要7か国首脳会議(G7サミット)初日の19日夜、記者団に対して、核軍縮に関するG7広島ビジョンを発出し、「核兵器のない世界の実現に向けたG7首脳の決意、具体的合意、今後の優先事項、方向性を力強く示す」と表明した。
広島ビジョンは「全てのものにとっての安全が損なわれない形での核兵器のない世界の実現に向けたコミットメントを再確認する」とし、77年間に及ぶ核兵器不使用の重要性を強調。ロシアの無責任な核のレトリックは受け入れられないとしたほか、イランが核兵器を開発してはならないとの決意を改めて表明した。
北朝鮮に対しても核実験又は弾道ミサイル技術を使用する発射を含め、不安定化をもたらす、または挑発的ないかなるその他の行動も自制するよう求めた。また、中国に対し、核拡散防止条約(NPT)に実質的に関与することを求めた。
岸田首相は「核兵器保有国の核戦力データの公表などで合意できた」と強調。広島ビジョンでは核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の即時交渉開始や包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効も要求している。
<G7首脳、被爆の実相に触れ「歴史的」>
岸田首相は初日の議論で「G7のゆるぎない結束を確認するとともに、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くことにおいて一致することができた」と強調。午前中の平和記念資料館の視察では「被爆者との対話や、慰霊碑への献花を行い、原爆で壊滅的な被害を受け、その後見事な復興をとげた広島において、G7首脳とともに被爆の実相に触れ、これを粛然と胸に刻む時を共有した」とし、「歴史的なことだった」と総括した。
東アジアの安全保障環境では「台湾海峡の平和と安定性の重要性と両岸問題の平和的解決を促すことで一致した」と述べた。
ウクライナ側が正式に認めているゼレンスキー大統領の広島訪問予定については、オンラインで参加するとの18日の首相発言に付け加えることはないと説明した。
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