中国秘密警察署、神田にも拠点 長尾敬氏「スパイ防止法の制定を」

2023/04/20
更新: 2023/04/20

世界数十カ国に展開する中国共産党の秘密警察署。日本でも千代田区・神田などに拠点をおいているとされ、脅迫やスパイの勧誘など、日本の主権を脅かす行為を行なっている。

中国共産党の浸透工作に詳しい長尾敬前衆議院議員はエポックタイムズの取材に対し、日本政府はすでに情報を持っているため行動を起こすべきだと指摘。外国勢力に対する抑止として、スパイ防止法を制定するよう求めた。次段落から同氏のコメントとなる。

日本のインテリジェンス機関の調査能力は海外からも高い評価を受けており、日本政府が(中国秘密警察署について)知らないはずはないと思っている。ただ問題なのは、現時点では調査で得られたデータや情報をストックしてるだけで、それを使っていない。すなわち、得られた情報を根拠に物事を判断していないのだ。

インテリジェンスは情報というより戦略。情報収集に徹しても、それを戦略に展開しなければ意味がない。

日本も欧米諸国のように判断を下すべきだが、民主主義と法治国家という概念にあまりにも固執しすぎるためか、法的根拠がなければ決断すら下せない状況だ。責任を取らされるのが嫌だから判断をしない。これをどのように乗り越えるかが日本の課題だ。

もちろん中国側は情報工作やスパイ活動を行なっているとは言わないだろう。それでもスパイ防止法は抑止にはなる。現実として、日本にはスパイという概念を含めた法律は未だないままだ。

インターネット黎明期には、インターネットに関する専門的な法律がまだ登場していなかったため、物事はデファクトスタンダード(競争によって標準が決める)で展開されていた。中国の秘密警察諸問題についても、法律がないからできることもあるのではないか。米国と連携し、対処していくべきだ。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。