「一帯一路」構想には数兆ドルの融資…中国の「発展途上国」取り下げ法案 下院で可決

2023/03/29
更新: 2023/03/29

米下院は27日、中国の世界貿易機関(WTO)における「発展途上国」の地位を剥奪する法案を可決した。著しい経済成長と遂げた中国が「発展途上国」の地位を利用し、優遇融資やその他の経済的恩恵を受けることを阻止する狙いだ。

ヤング・キム議員などが提出したこの法案は、中国共産党が国際条約、協定、組織において、発展途上国に与えられる優遇措置を一切受けられないようにする。20人の議員が投票棄権したものの415対0で可決され、今後、上院での審議に移される。

キム氏は議場で「中国共産党は、『一帯一路構想』として知られる債務の罠外交の一環として、途上国のインフラプロジェクトに数兆ドルを費やしているにもかかわらず、国際機関に自己申告し与えられた発展途上国の地位を悪用している」と指摘、中国の途上国優遇停止を訴えた。

WTOのルールでは、加盟国が「途上国」と自己申告した場合、貿易自由化などの義務が免除されるほか、先進国から関税免除などの優遇を受けられる。しかし、WTO加盟から今年で22年目を迎える中国は、経済成長を遂げ、米国に次ぐ世界第2位の経済大国となっている。

2019年には、当時のトランプ米大統領が中国が優遇措置を受けているのは不当だとして、世界貿易機関の制度改革を加速させるよう米通商代表部(USTR)に命令していた。

米シンクタンク「ヘリテージ財団」も中国の途上国優遇は不当だと指摘する。今月初めに発表した報告書のなかで「中国は、自国の利益のために国際機関を操作してきた実績がある。米国に匹敵する経済大国でありながら、発展途上国という地位を利用して利益を得続けている」と述べた。

「中国は低所得国であったが、もはやそうではない。米国は、これらの待遇が中国のような裕福な強国を援助するのではなく、本当の発展途上国を対象とするような措置を講じるべきだ」と付け加えた。

米国をはじめ国際関係担当。
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