2022年、日本は大規模に新型コロナワクチン追加接種を推進しながらも、新型コロナ感染は抑えられず、世界トップクラスの感染者数、死者数を記録した。
そうした中、参議院議員の柳ヶ瀬裕文氏(日本維新の会)が14日、参議院の予算委員会で岸田文雄首相や加藤勝信厚生労働大臣に超過死亡やコロナ対策について質問をし、政府の新型コロナ対策にいくつかの問題点を提起した。
コロナワクチンの副反応疑い報告制度が機能しているのか
柳ヶ瀬氏はワクチン接種後に2000件の死亡した事例が上がっている中、解剖医(52件)や担当医(260件)がワクチン関連と認めた接種後死亡数に比べ、副反応検討部会での因果関係判定が1例しかでていないのは少なすぎると指摘した。
柳ヶ瀬氏は2回目のワクチンを接種した3日後に心筋炎で亡くなった30代の男性が解剖の結果、ワクチン関連ありとされたのにも関わらず、情報不足により評価不能とされた例をあげ、ワクチンのリスクが正しく評価されているどうか疑義を感じると述べた。
柳ヶ瀬氏の疑義に対して加藤厚労大臣は「医学、薬学的観点から総合的に判断をしているが、ワクチン接種後の症状がワクチンが原因として発生したものなのかどうかは判断がなかなか難しい。情報不足等により因果関係や評価できないケースも多数あり、医療機関や製造販売業者に対し必要な情報を収集している」と答えた。
これに対して柳ヶ瀬氏は「全部因果関係は分からないということにしてしまうと、本当のリスクを見逃してしまう」と苦言を呈した。
令和元年インフルワクチンの死亡例が7件だったのに比べ、新型コロナワクチンにおいては2000件以上の死亡事例が報告されていることに関して、「極めて異常な事態」だと述べた柳ヶ瀬氏に対して、加藤厚労大臣は「昨年12月に立ち上げた、接種後に生じた副反応と疑われる症状に関する実態把握を行う研究班において、都道府県が整備するワクチンの副反応などに対応する、専門的な医療機関を通じて調査を行っている」と答えている。
柳ヶ瀬氏は他にも予防接種健康被害救済制度において、書類が多岐にわたり、なかなか申請が進まないことについて、救済制度への申請に必要な書類を速やかに用意できるような協力体制を作るよう、本制度を周知徹底させるなど改善を求めた。
ワクチン接種は続く
また柳ヶ瀬氏は、もともと緊急時の特例承認で接種を進めた新型コロナワクチンも5類に移行した現在、いったん接種を止め、リスクを正確に評価し、接種の在り方について再検討すべきではないかと岸田首相に訴えたが、首相はこれからもワクチン接種をすすめていく意向を表明した。
コロナ病床確保制度での過大交付
柳ヶ瀬氏は、「新型コロナウイルス感染症患者等を確実に受け入れるため、国が3兆円以上の補助金を費やしたコロナ病床確保制度に過大交付があったことを、会計検査院から指摘をされている」ことに触れた。
この制度において21年1月、2回目の緊急事態宣言の際、病床確保の平均使用率が半分に満たない50%を下回る病院は全体の43%に上っていた。
柳ヶ瀬氏は「補助金は出したけれども病床は確保されていなかった」と指摘。過大交付について都道府県に調査を求め、不正が見つかったものには返還することを徹底することを求めた。
加藤厚労大臣は「会計検査院からの病床確保の水準について、“診療報酬等を含めて適正にやるべきだ”という指摘も踏まえて、今回見直しをし、実態を踏まえた対応をした。運用がしっかりなされるよう徹底していきたい」と述べた。
柳ヶ瀬氏は(補助金について)「ザルのような使い方をしている一方で1兆円の増税を求めている。国民は納得しない」と述べた。
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