米映画音楽祭で最優秀作曲賞を受賞歴を持つ音楽家、馬小鈞氏（36）は、米メディア企業に勤め作曲編曲の分野で活躍する青年音楽家だ。輝かしい成功を重ねる馬さんだが、中国で音大生時代に重度の肺炎を患い、命の危機に陥った。彼に起死回生をもたらしたのは、当時付き合っていたガールフレンドと母親から紹介された、9文字の言葉だった。

「肺は真っ白」

2008年当時、中国の音楽学校に通う学生だった馬さんの心は荒んでいたという。課題提出のプレッシャーによって、一日2箱のタバコを吸っていた。

ある日、馬さんは高熱に襲われた。家族に付き添われ病院に行くと「大葉性肺炎」だと医師から診断された。肺の75％が炎症を起こしており、有効的な治療法はないと告げられた。レントゲン写真に写る馬さんの肺は「真っ白」で、この状態に至れば6割の患者は死亡しているという。

息を吸うたびに激痛が胸に走った。医師は「どれだけ耐えられるか」が生命を左右すると述べた。病魔に苦しむ馬さんに、のちに妻となるガールフレンドと彼女の母親から「法輪大法好、真善忍好」の9文字を念じてみるよう勧められた。

馬さんはためらった。法輪功は中国国内で罵詈雑言を浴びせられた恐ろしい思想だと感じたためだ。彼女たちは「怖らがらないで、心の中で念じて」と語りかけた。

その日の夜、痛みのあまり感覚も麻痺していたが、雪のように降る小さな光を見たという。全身に温かな流れが溶けていくように感じ、痛みが和らいだ。翌日、サビ色の痰を大量に吐くと、身体は徐々に回復していき、一週間後には退院した。

以来馬さんは修身を志し、法輪大法の修煉を始めた。書籍『転法輪』には「修煉者は身体を浄化するために、タバコを吸ったり、酒を飲んだりしてはいけないとあります。これに習い、私もやめました」と大紀元に語った。

法輪功は「真善忍」の基準で心性を向上させる気功修煉法。馬さんは修煉を始めて、家族や友人との調和を心がけたという。「変わったね」と周囲に言われ、自分の人生が良くなったと感じたという。「法輪功について思うことがある人は実際に『転法輪』を読んでみてほしい」と馬さんは語る。

良質な音楽と心

80年代の他の若者同様、馬さんは軽音楽バンドを結成して安いラブソングも書いていた。しかし、病魔を乗り越えたのちは、モーツァルトやベートーベンなどのクラシック、そして二胡、琵琶といった中国古典音楽を学んだという。

馬さんは中国で音楽講師を務めたのち、自由な音楽の表現を求めて、2016年「大師の導きの元に」と題した交響曲を携え米バークレー音楽大学映画音楽科に申し込んだ。審査員の教授のひとりは「天国から来たような音楽だ。あなたは曲を書くべきだ」と評したという。狭き門を通過した後も複数回の奨学金を受けるなどして好成績を修め続けた。

音楽を創造する仕事上、イマジネーションやインスピレーションは芸術の源泉だという。「もしこれらが枯渇したら、音楽家としての成長は難しくなります。法輪大法は私に知恵を与えてくれていると思います」「頭の中には美しい旋律、交響楽全体の旋律が流れるので、記録しています」

馬さんは、音楽と身体の良質な影響についても考えを持っており、日本の科学者である江本勝氏の著作「水からの伝言」を例に挙げた。感謝やクラシック音楽を受け取る水の結晶が美しく形作られるのに対して、罵声や怒りに満ちた音楽を受けるといびつで乱れた形になると主張する。この写真集は世界的なベストセラーとなった。「人体の60%〜70%は水」で構成されているから、良い音楽は人の内側から外側に至るまで変えると馬さんは語る。

また、日本でも巡回公演を行った神韻芸術団のオーケストラを勧めている。「神韻は純真、純善、純美の芸術で全世界の観客を感動させています」。このほかモーツァルト、ベートーヴェン、ハイドン、バッハなどクラシック音楽も心身に良質な影響をもたらすことができるのではないかと語った。