[ワシントン 1日 ロイター] – 台湾の游錫コン・立法院長(国会議長)は1日、訪問先のワシントンで講演し、中国からの圧力に直面しながらも台湾の民主主義を守ることの重要性を強調した。
游氏は「国際的信教の自由(IRF)」サミットで行った講演で、台湾は中国語圏で唯一の民主国家だと指摘。台湾は世界の重要なシーレーンの中心に位置するほか、半導体の主要な製造拠点という戦略的重要性を強調し、「台湾を守ること、特に台湾の民主主義を守ることが極めて重要だ」と述べた。
「台湾が中国共産党の勢力圏に陥れば民主主義の灯火が消える」とし、「全世界に脅威が及ぶ」と警告した。
世界の海運の約50%が台湾海峡を利用しており、「世界貿易にとり非常に重要な経済的意味がある」とも強調。「台湾は最高の半導体チップを製造しており、世界貿易にとっても非常に重要な存在になる」とし、「台湾を守ることができなければ、世界の平和だけでなく貿易にとっても非常に危険なことになる」と述べた。
游氏は与党、民主進歩党(民進党)に所属しているが、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統の考えを代弁する立場にはない。
米国ではマッカーシー下院議長が近く訪台するとの観測が出ている。
講演後、米国滞在中の政府当局者やマッカーシー氏との会談予定には言及しなかった。米議員による訪台については、「ごく普通のこと」だが中国が過度に反応していると指摘した。
昨年8月、当時下院議長だった民主党のペロシ氏が台湾で蔡氏と会談した際、中国は台湾周辺で軍事演習を行い、緊張が一気に高まった。
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