中国国境開いても…日本やタイなど人気渡航先 感染者数急増みられず

2023/01/24
更新: 2023/01/25

中国当局が出入国規制を緩和してから約2週間が経つ。当局によれば一日平均24万人が出国している。日本やタイ、米国など中国で人気の渡航先では、感染率は中国国内ほど高くないことが統計で明らかになった。

中国当局は公式に国別の渡航先を公表していないが、中国の旅行最大手Trip.comの統計によれば、人気の旅行先は日本、米国、韓国、タイ、マレーシア、シンガポールなどだ。

ジョンズ・ホプキンス大学の出典をもとに作成された世界の感染情報サイトOur World in Dataによれば、いずれの国や地域も中国からの訪問客の増加が想定される6日以降、感染が増加傾向にある地域はなかった。

下記のデータ図は、中国で人気の渡航先に加え台湾と香港の日毎の新規感染者を、12月22日から1月22日まで表示させた。

中国で人気の渡航先の日毎の新規感染者を、12月22日から1月22日まで表示(Our World in Data)

また、コロナ禍の3年間で各国の総人口と総感染者数を比較しても、各国と各地域は3割から4割程度で、中国のように人口の6割以上が感染した国はない。例えば日本の総人口は1億2400万人だが、延べ感染者数は3200万人で25%ほどだ。

大紀元の取材に答えたウイルス学者の閆麗夢(えん・れいむ)は、イタリアに到着した陽性者のウイルス遺伝子の分析結果や、中国国内で医療崩壊や火葬体制が忙しく稼働していることなどから、致死率や重症化率は本土では他国よりも高い可能性があるとの見方も示していた。

旧正月の大移動に時期を重ねて、中国国内の感染は相当な速度で進んでいる。21日、中国疾病予防コントロールセンターの専門家・呉尊友氏は全国的な感染により人口8割が新型コロナウイルス(中共ウイルス)に感染したと述べた。北京大学の調べでは、11日までに人口6割が感染しているとの推計値を出した。

中国国内の感染状況を受けて、日米韓や欧州では再びの感染拡大を防止するため水際対策を強化した。いっぽう中国当局は、日韓は「差別的」だと反発。「報復措置」として入国ビザの新規発行を停止し、2月6日に解禁する団体旅行の渡航先からも除外した。

中国から日本への往復搭乗券も数十万と高額で、中国官製メディアのネガティブキャンペーンも強まったことから、中国旅行客は訪日旅行を控えタイなど近隣の東南アジアを選んでいる模様だ。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。
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