米共和党のトッド・ヤング上院議員ら3人は20日、進行中のチベット・中国紛争の解決を促進する超党派法案を発表した。チベット人の自決権を再確認するもので、長期に渡る中国共産党による人権侵害を非難した。
2010年以降、中国政府とチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世との正式な対話は行われておらず、中国当局は対話の条件としてダライ・ラマ14世に不合理な要求を続けている。
法案は、チベットの法的地位は国際法の下で決定される必要があることを米国の公式政策とするほか、チベットの偽情報に対抗するために、チベット問題特別調整官事務所に権限を与える。7月には下院が同様の法案を提出しており、「チベットへの圧政を正当化する中国共産党の嘘を退けるのに役立つ」と法案の意義を強調していた。
法案を共同提出したジェフ・マークリー議員は声明で「誠意ある交渉のみを求めてきたチベット人は、長い間、中国政府によって残忍な迫害を受けてきた」と指摘。「米国の対チベット政策を一新し、チベット人の自由を守る」と強調した。
さらに、中国共産党によるチベットや他地域での弾圧は「容認できないという米国の決意を示すものだ」と付け加えた。
チベット亡命政府は21日、法案について声明を発表し「チベット占領の平和的解決に向け、米国の関心を高めるための前進となる」と歓迎する意向を示した。
国際NGO「フリーダムハウス」によると、中国の極端な人権侵害の結果、チベットは現在、南スーダンやシリアと並んで最も自由度の低い地域となっている。米国務省は9日、チベット自治区で深刻な人権侵害に関与したとして、チベット自治区の元共産党委員会書記・呉英傑氏ら中国高官2人に制裁を科すと発表した。
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