自公防衛実務者協議、反撃能力の保有で合意

2022/12/02
更新: 2022/12/02

[東京 2日 ロイター] – 自民、公明両党は2日、国家安全保障戦略など防衛3文書改定に向けた実務者協議を開き、焦点だった反撃能力の保有について合意した。協議後、自民党の熊田裕通議員と公明党の浜地雅一議員が記者団に明らかにした。安保環境の変化により朝鮮半島有事などを想定した自衛権の一環としているが、戦後の専守防衛方針から大きな転換となる。

月内に改定する国家安全保障戦略など防衛関連3文書に反映させる。

自公の実務者協議は先月25日、反撃能力の保有に向けた議論を開始。30日には政府側が、必要最小限の実力行使にとどまるなど武力行使の3要件に沿った自衛権行使の一環であるとして、国際法が禁じる先制攻撃に該当しないと説明した。自公側は実際に攻撃する場合の国会承認など武力攻撃事態認定手続きを踏むことなどを確認した。

反撃能力の保有は安倍晋三元首相が提唱した方針で、当初は先制攻撃能力と呼んでおり、戦後日本の国是である専守防衛からの急激な転換を懸念する公明側の受け入れが焦点だった。

このため公明側は、既存のミサイル防衛体制が不十分であることや、あくまで反撃能力の行使は自衛権の行使であることを文書で強調するよう要請。政府側からは「自衛権の行使での武力行使の3要件に合致して行うという定義のなかで盛り込まれるとの説明があった」(公明・浜地氏)という。

2日の会合では、防衛3文書に関し、装備品の調達目標などを定める5年間の中期防衛力整備計画(中期防)について、名称から「中期」を削り「防衛力整備計画」とするなどの方針について政府側から説明があった。