【願栄光帰香港】
『願栄光帰香港(香港に栄光あれ)』という歌が発表されたのは2019年。時まさに、中国共産党が香港に押し付けた「逃亡犯条例改正案」に反対する学生や市民のデモが、連日盛んに行われていた。
原詞は広東語だが英語版もある。ネット上に日本語の字幕もあるので、それをもとに歌詞の一部を以下に記す。
「なぜ、この地で涙を流すのか。なぜ怒りに震えるのか。頭を上げ、沈黙を破って声を出そう。自由よ、ここに帰れ」
歌詞もメロディも実に堂々たる、見事な楽曲である。いつしかこの歌は、自由と民主を求めて街頭に立つ人々の「国歌」になった。香港の学生や市民がこの歌を心の底から合唱するとき、北京の中共は、十字架をかざされた悪魔のように発狂するのだ。
「市民デモが暴徒化したため、やむなく警察や軍を投入した」と中共は言う。しかし、これまでの中共の手口からして、デモを過激化させる「あおり役」が入れられていた可能性は否定できない。
あれから3年後の現在。香港は中共の圧政下にある。市民の自由意思として『香港に栄光あれ』を歌うことは許されない。信じがたいことだが、香港では歌をうたって刑事罰の対象にされる可能性があるのだ。
この歌が11月13日、韓国の仁川で行われたラグビーの試合前に、香港チームの「国歌」として競技場に流れた。「スタッフのミス」と主催者は釈明したが、香港政府(中共)は怒り狂った。ミスか故意かは不明だが、痛快な「珍事」であった。
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