中共、台湾侵攻ならロシアの二の舞に…米軍制服組トップが牽制

2022/11/17
更新: 2022/11/17

米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は16日の会見で、中国が台湾侵攻すればロシアと同じように「戦略的な過ち」を犯すと述べた。実戦経験が乏しい中国軍は台湾を占領することができず、逆に習近平氏が唱える「中国の夢」を台無しにすると警告した。

「賢明ではない判断だ。政治的・地政学的・戦略的な過ちになる。プーチンがウクライナで犯した戦略的な過ちと同様のものになる」とミリー氏。中国軍は爆弾やミサイルで台湾を攻撃することができても、台湾を物理的に占領することは「極めて難しい軍事行動」になるという。

ミリー氏は、中国軍は1979年の中越戦争以降、本格的な戦闘を経験したことがないと指摘、「机上の空論と実際の戦争は全く別物であることがウクライナ戦争で証明された」と述べた。「中国軍には(上陸作戦を遂行する)経験もなければ、そのような訓練も受けてない」

「血が流れ、人が死に、本物の戦車が爆発炎上すれば、話が違ってくる。戦場は衝突と死で溢れている」とミリー氏は語った。台湾侵攻が差し迫っているとの発言はなかった。

習近平氏について、ミリー氏は「物事を損得勘定で判断する人物」だと評した。そして、中国共産党が台湾侵攻すれば、経済力と軍事力で世界トップになるという中国の夢は台無しになると述べた。

バイデン大統領は14日の米中首脳会談で、軍事衝突を回避しつつ、中国と「激しい」競争を続けていくと強調した。台湾に対する中国の「威圧的でますます攻撃的な行動」は地域の平和と安定を損ない、世界の繁栄を危うくすると批判した。

米軍のフィリップ・デービッドソン前インド太平洋軍司令官は昨年、上院軍事委員会で、中国の台湾侵攻は2027年までに起こる可能性があると指摘した。いっぽう、元米海兵隊次長のロバート・エルドリッヂ氏は大紀元の取材に対し、中国が現在の混沌とした国際情勢を利用し、台湾侵攻をさらに早める恐れがあるとの見方を示した。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。
関連特集: 台湾海峡の風雲