日本人の7割が睡眠不足…5時間以下の睡眠は疾患リスクが増加

2022/10/28
更新: 2022/10/28

1日の睡眠時間が5時間以下の場合、50歳以上の人は慢性疾患にかかるリスクが高まる可能性があるー。学術誌「PLOS Medicine」の18日付で掲載された研究結果によって明らかになった。

英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究者らは、慢性疾患を持たない英国の公務員約8000人の健康状態と睡眠時間を調査した。

調査では睡眠時間を1985〜2016年にかけて計6回測定し、50歳、60歳、70歳時点の睡眠時間に関するデータを抽出した。研究者らはそのデータをもとに、慢性疾患発症との関連性を調べた。

その結果、50歳前後で睡眠時間が5時間以下の人は、7時間睡眠の人に比べて、慢性疾患を発症する確率が20%高まることがわかった。また、5時間睡眠以下の人は、7時間睡眠の人と比較して、2つ以上の慢性疾患を発症するリスクが30~40%増加した。

一方で「短い睡眠時間は慢性疾患発症リスクと関連するが、死亡率とは関連しないことが観察された」と述べた。

 

睡眠不足大国ニッポン

経済協力開発機構(OECD)の2021年版調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と、加盟国30カ国のうち最下位を記録した。ヘルスケア企業フィリップスが13カ国を対象に行なった「世界睡眠調査」では、睡眠に満足している日本人の割合は29%と最下位だった。

さらに、厚生労働省が1月に公表した健康実態調査の結果によると、睡眠時間が7時間以下の人は約68%に上り、日本の睡眠不足問題が改めて浮き彫りになった。

睡眠には、心身の疲労を回復するだけでなく、生活習慣病予防や免疫機能を高めるなど、様々な働きがある。英UCLは、7~8時間程度の睡眠を取ることを推奨するとしている。

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