「墨汁女子」父親が獄中死…異見者の窮状に目を向けて 元弁護士がSNSで呼びかけ

2022/10/05
更新: 2022/10/04

習近平・中国国家主席の写真に墨汁をかけたとして、精神病院に入れられていた董瑤瓊さんの父親が獄中死したことをめぐり、中国の元人権弁護士はツイッターキャンペーンを開始した。異見者に対する中国共産党の弾圧を止めるためには国際的な関心が必要だと訴えた。

2018年7月、湖南省出身の董耀瓊さんはツイッターのライブ放送で、上海海航ビルの近くにあった習氏の写真に墨汁をかけて中国共産党政権を批判した。その後当局によって複数回にわたり精神病院に強制入院させられた。

父親の董建彪さんは今年9月23日、湖南省茶陵刑務所で暴行を受けて死亡した。董さんの親戚の話を受け、同省在住の民主活動家・陳思明氏がツイッターで明かした。親戚によると遺体は肛門から出血し、身体は無数の打撲痕があり、目を大きく開けたまま亡くなっていた。遺体は翌24日に火葬されたという。

ラジオ・フリー・アジアによると、火葬場までは数十人の当局者が親族らの接近を阻んだ。陳思明氏を含め葬儀に参列した市民など6人が連行された。

家族は2年以上、董耀瓊さんと会えない状態が続いており、父親の董建彪さんは娘の救出を試みていた。

中国は反体制派の声を抹殺

董建彪さんの訃報を受け、米国在住の元人権派弁護士・王慶鵬氏は25日にツイッターキャンペーンを開始した。中国の活動家を取り上げて、国際社会にその苦境を周知することを目的としている。

現在では、中共ウイルス(新型コロナ)の発生地である武漢市の感染状況を報じ逮捕された中国の市民ジャーナリスト・張展氏や、中国のゼロコロナ政策を非難し逮捕された季孝竜氏など複数の活動家の事例を紹介している。

大紀元の取材に答えた王慶鵬氏は「中国共産党は異見をすべて消して、罵詈雑言を世界に広げている。無知な振る舞いから中国人について世界の誤解を招いている」と非難した。ツイッターキャンペーンを通じて「中国人の真の姿を伝えたい」と述べた。

昨年12月には、北京五輪開催までの2カ月間、米議会の超党派組織「中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会(CECC)」が中国に投獄されている政治犯を毎日1人ずつ紹介する「オリンピック囚人(#OlympicPrisoner)」を実施した。

CECCは、投獄されている市民ジャーナリストや人権弁護士、法輪功学習者などを取り上げている。

(翻訳編集・山中蓮夏)

Alex Wu
エポックタイムズの在米ライター。専門は中国社会、中国文化、人権、国際関係。