安倍氏国葬めぐり日本社会が分断…海外メディアも注目

2022/09/27
更新: 2022/09/27

参院選の応援演説中に凶弾に倒れた安倍晋三元首相の国葬は27日、東京武道館で行われる。国葬の是非をめぐって世論が二分された。海外メディアも相次ぎ報じた。

ロイター通信は9月24日、「なぜ日本は安倍晋三氏の国葬をめぐって分裂しているのか?」と題する記事で、「安倍元首相の支持者は、彼の国内および外交的貢献、そして長期にわたる在任中に残した遺産を称賛し、国葬の開催を支持している」とした。

いっぽう、2006~07年、2012~20年の2度の在任中、安倍元首相の強硬な防衛政策は、憲法9条の改正につながる可能性があるとして反対者も多い、と指摘した。

米戦略国際問題研究所(CSIS)のシニアアドバイザー(日本担当)クリストファー・B・ジョンストン氏は9月23日の寄稿で、「在任中に安倍元首相に反対していた人たちが、今は国葬を行うことに反対している」と指摘。

戦後の日本には、国家的愛国心の表明、特に政治家個人の愛国心表明に違和感があり、「皮肉にも、安倍元首相がそれを変えることが使命だと考えていたことが背景にある」と分析し、安倍氏の国のあり方に対する考えが分断を招いたと示唆した。

米外交専門オンライン雑誌「The Diplomat」は7月、「安倍晋三氏の国葬は、なぜ論争を巻き起こしているのか?」との記事で、安倍元首相が日本の安全保障を強化したため、「物議を醸す法案を可決し、対立する側に和解しがたい憎悪を呼び起こした」と言及し、安倍氏について「尊敬と反感を買う人物」と指摘した。

「反対派の強い反発から、安倍元首相が日本の政治において依然として賛否を招く存在であり、安倍氏が不在でも国民を分断する可能性があることを示唆している」と述べた。

また、国葬が行われた後も、安倍元首相は論争の的となり、この問題をめぐる対話は上手くいかないだろうとし、分断はそう簡単に解消されないとの認識を示した。

 

李沐恩
李沐恩