「中国の諜報能力はロシアと肩を並べる」と英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は8月30日、欧米の現・元情報当局者8人の発言を引用して報じた。
英国の対外情報機関、秘密情報部(MI6)のアレックス・ヤンガー(Alex Younger)前長官は、ロシアは帝政時代から諜報活動を行ってきたとした上で「中国は伝統的に諜報に著しく弱いが、習得は驚くべき速さだ」と指摘した。
米中央情報局(CIA)欧州支局の元責任者や他の西側情報当局者は、中国のインテリジェンス能力について「ロシアに匹敵し」、「忍耐力などにおいてはロシアより上だ」とした。
西側情報機関の幹部は、中国のスパイ手法はロシアと全く異なるため「西側情報機関は防諜体制を再構成する必要がある」と指摘した。
ロシアの諜報活動は焦点が絞られているという傾向があるのに対し、中国は「社会全体(whole of society)」という戦略を採っているとした。中国政府は2017年6月に国家情報法を実施し、国民や企業に対して諜報活動への協力を義務付けた。
報道は、2018年に英国で発生した毒殺未遂事件で、ロシアと英国の元二重スパイのセルゲイ・スクリパリ氏らがロシア側のスパイの標的にされたことを挙げた。
元CIA職員は、ロシア人スパイは標的を「殺害する」ことを排除せず、「捕まえられるものなら、捕まえてみろ」との傲慢な態度を見せるとした。いっぽう、「中国政府は各国との良好な関係を維持したいため、中国人スパイはいかなるスキャンダルも避ける」という。
(翻訳編集・李凌)
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