湖南省長沙市はこのほど、不適切な治療を繰り返していたとして同市中南大学湘雅二医院の副主任である劉翔峰(48)医師を調査すると発表した。同医師は患者に不必要な手術を薦めるなど、多額の治療費を請求していた。
中国メディアによると、劉医師は日常的に過剰診療を行っていたという。高額なロボット手術を頻繁に実施したり、少しでも標準値を超える数値を検出すれば、手術を薦めたりしていた。健康食品の購入も強要していた。
腸閉塞の手術で問題のある部分が見つからず、正常な腸を切り取り「腐った腸だ」と患者に嘘の説明をしていた。少しでも腫瘍が見つかると、すぐに化学療法を始め、患者を「薬漬け」「検査漬け」にする。
あるがん患者の手術中、がん細胞を見つけることができなかったため、膵臓を切除した。別の手術では、出血がなかったにもかかわらず、産科から出産時の出血を「借りてきて」自身の白衣につけ、「緊急輸血が必要だ」と偽りの説明をし、親族に同意書のサインを求めた。
また、ある患者の場合、正常な肛門が切除され、人工肛門の造設を余儀なくされた。
常軌を逸する治療行為はより多くの報酬を得るために行われていた。2年前にも患者からの苦情で処分を受けたが、診察を続けていた。今回は、患者らがSNS上で暴露したため発覚した。
中南大学湘雅二医院は市内で最大規模の医療機関で、劉医師は同病院の模範医師だった。
中国では近年、公立病院は国からの補助が減少し、自力で資金繰りする必要がある。病院の営利主義がはびこり、患者と医師の関係は近年、著しく悪化した。
患者は治療費のほか、手術を担当する医師に「紅包」と呼ばれる賄賂を渡す必要がある。逆に治療がうまくいかなかった場合、医師を殺害するなど、医療トラブルが多発している。
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