東大・松田教授、蔡英文総統と会談 「学者として台湾の価値を発信したい」

2022/08/26
更新: 2022/08/26

東アジアの国際政治を専門とする東京大学の松田康博教授は25日に台湾の蔡英文総統と会談し、「民主主義社会が脅威に直面する中、世界が台湾の存在価値を改めて認識している」と強調した。蔡英文氏は、日本との協力を通して民主主義陣営の団結の重要性を改めて認識し、日本は台湾海峡の平和と安定に貢献している、と感謝の意を示した。

蔡英文氏は、中国軍の軍事演習について「地域の安全がひどく脅かされている」と懸念を示した。「台湾の主権と民主、自由を守る強い決心は、圧力や恫喝によって揺らぐものではない」と強調し、「民主主義国家が手を取り合い、協力して地域の安全を守る」とともに、インド・太平洋地域の開放性及び繁栄を促進できるよう、「日台が各方面で交流と協力を深めていきたい」と述べた。

また、台湾研究の難しさと意義の大きさも指摘した。「台湾の歴史、政治、経済を対象とした深い考察だけでなく、中台関係についても多くの研究が行われてきた」と松田教授一行が果たした役割を強調し、台湾研究の今後の発展を期待した。

松田教授は「台湾ほど感染対策と経済発展を両立させている例は他に見ない」と台湾の政策を賞賛するとともに、今後台湾の水際対策が緩和されれば、「自由で開かれた」台湾社会の強みが発揮されると述べた。

安全保障については、ロシアのウクライナ侵攻や台湾周辺での中国の大規模軍事演習を受け、米国を中心とした同盟関係の強化及び「台湾人の防衛に対する強い意志」を示すことが重要だと指摘した。日台関係は貿易やコロナ対策などで良い方向へ向かっているとし、日台関係の発展に大きく貢献した安倍晋三元首相が築いた遺産を受け継いでいく必要があると訴えた。

今月23日には日華議員懇談会の古屋圭司会長が蔡英文総統と会談し、松田教授一行の訪台はそれに続く形となった。米国議員などによる訪問も立て続けに行われるなど、民主主義国と台湾の関係強化はますます強まっている。

王天雨
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