オーストラリア外務大臣はミクロネシアのキリバスが18か国の太平洋諸島フォーラム(PIF)から脱退したことを受け、世界的な戦略的競争、気候変動、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症といった共通の課題に焦点を当てるよう促した。
2022年7月中旬の太平洋諸島フォーラム首脳サミットを前に、ペニー・ウォン豪外相はフィジーのスバで、太平洋地域の指導者らと共に「世界の他の多くの地域よりもこの地域への影響が大きかった」気候変動と新型コロナウイルス感染症、「そしてもちろん戦略的競争」について話し合った、と述べた。
「すべての国々が、これらの課題を克服しようとしている。力を合わせることで最善を尽くすことができる」とウォン豪外相は語った。
オーストラリアとニュージーランドは太平洋諸島フォーラム加盟国の中で最も豊かな国であり、中国とソロモン諸島の間に締結された安全保障条約に対する懸念を共有している。
ソロモン諸島とキリバスの両国は最近、台湾から中国への外交認定を切り替えている。キリバスの太平洋諸島フォーラム脱退は、この地域における中国の影響力の深化と解釈されている。
フィジーで開催された首脳会議に出席したニュージーランドのジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は、キリバスの脱退を「失望」と表現した。ウォン豪外相は、キリバスが太平洋諸島フォーラムに戻るための「扉は現在も開かれている」と述べた。
太平洋諸島フォーラムのヘンリー・プーナ事務局長は「ミクロネシアの兄弟姉妹の皆さん」と呼びかけ、和解を訴えた。
クック諸島の元首相であるプーナ事務局長は「過去2年間の繋がりの崩壊を改めて認識している」とした上で、
「対話の仕組みと、皆さんに向けて取り組んでいる決議を通じて、今後もフォーラムに価値を見いだし、フォーラム内の相互信頼を認識してくれることを願っている」と付け加えた。
サミットの開催国フィジーのフランク・バイニマラマ首相は開会の挨拶で、太平洋諸国には選択の余地があると述べた。
そして、「今週、私たちにとって最も重要な考慮事項は、太平洋諸島フォーラムはこれらの課題と機会を将来どう乗り越えていくことを選択するのか?共に前進するのか?それとも、個々の道を選ぶのか?そして、私たちは主張するのか、それとも自分たちの運命を他の人に決定させるのか」を考えることだと語った。
カマラ・ハリス米国副大統領は太平洋諸島フォーラムでオンライン演説を行い、トンガとキリバスに大使館を新設し、米国の漁業援助資金をこれまでの3倍の年間6,000万米ドルに増やすことを提案し、さらに、太平洋諸島フォーラムへの初の米国特使の任命を発表した。
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