[マドリード/リスボン 18日 ロイター] – 欧州を熱波が襲っている。南欧では消防士が山火事に悪戦苦闘。熱波は北に移動しており、英国では記録的な高温が見込まれている。
スペインでは北部の町タバラ近郊で山火事が発生。建物との間に溝を掘ろうとしていたショベルカーを飲み込み、運転手は炎に背中の服を焼かれながら命からがら逃げだした。
ポルトガルでは北部ムルサで町半分が火に包まれ、逃げようとした老夫婦の遺体が「完全に黒焦げの車」の中で見つかったと、町長が地元放送局に語った。
当局によると、南欧で何百人もの死者を出し、地方を危険な水準まで乾燥させた連日の猛暑は和らぎつつある。しかし、熱波は北に移動している。
ベルギーとドイツは、今後数日のうちに熱波が襲ってくると予想。一方、英気象庁によれば、イングランド南部で18日に気温が摂氏38度に達し、19日には記録的な40度に達すると予想されている。
英国の鉄道会社は運行を取りやめ、一部の学校は休校となった。当局は国民に在宅を呼びかけ、政府は「国家非常事態」警報を発動した。
また当局によると、仏南西部ジロンド地方では1万4800ヘクタールが焼失。1万4000人以上がこの地域から避難している。フランスではいくつかの地域に最高度の赤色警報が発令されている。
イタリアでも小規模な火事が発生しており、いくつかの地域では今後数日以内に40度以上の気温が予想されている。
スイスも熱波の影響を受けている。ベツナウ原子力発電所を運営するアクスポは18日、冷却水を引いているアーレ川を過熱させないために出力低下を余儀なくされたと発表した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。