中国企業が広大な農地購入…米空軍基地近く 上院議員、CFIUSに精査求める  

2022/07/19
更新: 2022/08/05

マルコ・ルビオ米上院議員らは14日、中国の化学調味料メーカー・阜豊集団がノースダコタ州にある米空軍基地近くの農地を購入したことをめぐり、対米外国投資委員会(CFIUS)に精査するよう求めた。国家安全保障上の懸念があると指摘している。

ルビオ氏らはイエレン財務長官とオースティン国防長官に宛てた書簡のなかで、購入された土地が空軍基地から約19キロと近く「阜豊集団は中国共産党とのつながりが報告されている」と指摘。「阜豊集団の事業が中国人民解放軍の監視の隠れ蓑になることが懸念される」と訴えた。

また「中国の対米投資には監視の目が必要」と強調した上で「CFIUSを通じて、このプロジェクトが国家安全保障に影響を及ぼすかどうかを判断するよう求める」と記した。

阜豊集団は今春、ノースダコタ州に370エーカーの土地を購入した。米国初のトウモロコシ製粉施設を建設するとしているが、米軍活動の監視に使われるのではないかとの懸念があがっている。

中国メディアの報道によると、阜豊集団の会長・李学純氏は、2008年と2013年に山東省人民代表大会の代表を務めた。また、2003年に山東省当局から「模範労働者」賞と「優秀企業家」賞を授与されるなど、中国共産党と近い関係にあることが伺える。

共同で書簡を提出したケビン・クレイマー上院議員は、中国共産党が推進する巨大経済圏構想「一帯一路」の「債務のわな」に陥ったスリランカのハンバントタ港やウガンダ国際空港などを例に挙げ「(中国が)非常に重要な資産へのアクセスを得るために経済的な誘惑を利用する」可能性があると危機感を示した。

グランドフォークス空軍基地は重要な軍用無人機技術を運用しているほか、新たな宇宙部隊の早期警戒システムの拠点にも近い。米空軍は、国防総省の施設に近づくために商業経済開発プロジェクトを利用した中国の国家諜報活動の手法だと懸念を表明した。

米国では中国企業などによる米国農地購入を制限する法案が相次いで提出されている。ルビオ氏とテッド・クルーズ上院議員は4月、中国やイランなどの国の企業が米軍事基地周辺の土地を購入することを規制する法案を提出した。

米国をはじめ国際関係担当。