岸田文雄首相は15日、国会閉会後の記者会見で、日本の首相として初めてNATO(北大西洋条約機構)の首脳会議に出席すると発表した。首脳会議は現地時間6月29日から30日にかけてスペインのマドリードで開催される。
NATOは共産主義国の脅威に対処するため、米国や西欧諸国によって1949年に結成された軍事同盟。岸田首相は会見で「欧州とインド太平洋の安全保障は不可分だ。力による一方的な現状変更は世界のどこであれ認められないと訴えていく」と述べた。
ロシアによるウクライナ侵攻以降、中露爆撃機による共同飛行や北朝鮮のミサイル発射など、日本を取り巻く安全保障環境は緊張感を増している。首相は「防衛力の抜本的強化を含め、日米同盟を新たな高みに引き上げながら、自由で開かれたインド太平洋を、志を同じくする国と作っていく」と強調した。
拡張主義をとる中国に対しては「地域の平和と安定を守るため、中国に主張すべきは主張し、責任ある行動を求めていく」と語った。
岸田首相の発表を受けて、米国のラーム・エマニュエル大使は「歴史的な決定だ。大西洋沿岸とインド太平洋地域を統合させようとする首相のリーダーシップを称賛する」と投稿した。
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