中国、スイスとのFTA協定更新交渉を拒む 新疆問題巡り=地元紙

2022/05/30
更新: 2022/05/30

スイスメディアによると、同国が中国政府による新疆ウイグル自治区での人権侵害を批判したことで、中国側は両国が2013年に締結した自由貿易協定FTA)の更新を巡る交渉を拒否した。

中国・スイスのFTAは、中国がヨーロッパ大陸の国と締結した初めての貿易協定。地元紙NZZアム・ゾンターク(NZZ am Sonntag)29日付では、スイス政府は関税減免の実現などに向けて中国とのFTA更新を求めている。だが、中国側は交渉に応じていない。

スイスの連邦経済省経済管轄局(SECO)がゾンタークスブリック (SonntagsBlick)紙に宛てた声明は、「これまでのところ、(中国との間で)より深く検討すべき共通の課題について合意に達していない」と示した。

地元メディアは、スイス政界は中国の人権問題に対してより悲観的になっているとした。

スイス連邦国民議会の法務委員会はこのほど、中国政府によるウイグル人住民らへの強制労働を非難する動議を可決した。地元メディアは、こうした動きが中国側がFTA協定の更新交渉を拒否する理由だと推測した。中国は、スイスにとってドイツと米国に次ぐ3番目の輸出国である。

2019年7月、スイス、日本を含む22カ国は中国の新疆政策を批判する共同書簡に署名した。ミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官に宛てた同書簡は、「新疆のウイグル人など少数派を対象とした大規模な収容所や監視、制限が拡大している」とした。

中国政府はこれまで台湾問題や中共ウイルス(新型コロナ)の独立調査を巡り、リトアニアとオーストラリアに経済的な報復措置を講じ、両国の製品の中国向け輸入を制限、または禁止した。

張哲
張哲
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