スリランカは18日に支払い猶予期限を迎えた一部国債の利払を実施せず、同国史上初のデフォルト(債務不履行)となった。
同国中央銀行のウィーラシンハ総裁は19日、デフォルト状態に陥ったとの認識を表明した。債務再編完了までの支払い停止を発表し、インフレ率は今後数カ月で40%に加速する見通しを示した。
米格付け大手S&Pグローバル・レーティングは4月下旬、スリランカの外貨建て国債の信用格付けを「CC(デフォルトになる可能性が高い)」から「SD(部分的なデフォルト)」に引き下げていた。
「一帯一路」で債務の罠に
インド洋に浮かぶ島国のスリランカは中国の「一帯一路」債務の罠に陥り、経済が衰退している。
現大統領の兄であるマヒンダ氏が大統領を務めた任期内(2010~15年)から、親北京外交に傾倒し始めた。
目下、スリランカの最大債権者は中国だ。
英BBCによると、スリランカの対中国債務は65億ドル(約8302億円)で、現在両国は債務の再編について交渉中だという。
同国はこれまでも債務を返済できず、中国に戦略港湾や周辺土地の運営権の譲渡を余儀なくされている。
「一帯一路」は途上国に投資し、インフラ整備を行う一方で、相手国の返済能力を超えた過剰債務を生んでいると批判されている。
(翻訳編集・李凌)
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