ベルギー議会の外交委員会は13日、香港の人権問題をめぐって対中非難決議案を採択した。同案は、ベルギー政府や欧州連合(EU)に対し、香港政府のトップら責任者に制裁措置を科すよう要求している。
中国中央政府が支持する警察出身の強硬派である李家超(ジョン・リー)氏が香港政府のトップに選出された数日後、香港警察は民主派に対する弾圧を行った。
11日、民主派重鎮の香港カトリック教区元司教の陳日君枢機卿(90)や女性歌手の何韻詩(デニス・ホー)氏(45)ら、少なくとも4人が香港国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕された。
李家超氏はかつて治安機関を統括する保安局長として、2019年の反政府抗議運動を鎮圧した経験がある。
決議案提出者のアニック・ポンティエ(Annick Ponthier)下院議員は、「国家安全維持法の下で、香港政府は好き勝手にできるようになる」と非難決議案の緊急性を強調した。
ベルギー議会は政府に対し、「国際の場での中国非難や、政治・経済・外交における中国との二国間関係の根本的な見直し」を求め、中国への経済や技術上の依存から脱却する方法を考えるように」と注文をつけた。
議会は、中国大使を召喚してベルギーの立場を伝えるよう政府に求めた。
一方、決議の採択をめぐって駐ベルギーの曹忠明・中国大使は外交委員会宛の書簡で「香港問題は中国の内政問題」と反発した。
決議案の共同提出者であるサミュエル・コゴラティ(Samuel Cogolati)議員は採択後、「李家超氏は自分の主人である中国を満足させるためなら何でもする。だからこそ彼を制裁すべきだ」と語った。
同氏はまた、「中国大使館は我々を黙らせようとした。プレッシャーはあるが、それでもこの決議案に賛成票を投じた。我々は諦めない」と話した。
(翻訳編集・李凌)
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