ディズニーCEOのボブ・チャペック氏は5月11日、映画『ドクター・ストレンジ』の最新作が、大紀元の新聞ボックスが映り込んだため中国で公開されない可能性が高いとされたことを受け、中国で映画を公開することの「難しさ」について語った。いっぽう、「ディズニーは中国抜きでもうまくやっていけると確信している」と発言した。
チャペック氏は決算説明会で、中国の状況はビジネスと政治の観点から「非常に流動的」で「非常に複雑」であると述べた。
今後も映画を公開するために提出するとした。いっぽう、中国での映画公開が困難と感じている時に、「『ドクター・ストレンジ』が非常に良い成績を収めたことは注目に値すると思う」と指摘した。
ディズニー傘下のマーベル・スタジオ制作の2022年劇場公開最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は5月6日に全米で公開された。映画は興行的に大成功を収め、5月10日までの全米興行収入は2億1360万ドル、全世界興行収入は5億780万ドルとなっている。
映画の中で、ドクター・ストレンジがニューヨークの街でガルガントスと呼ばれる怪物に挑む戦闘シーンで、背景に黄色い新聞ボックスが置かれている。そのボックスには、『大紀元時報』の文字が書かれている。
中国国営メディア環球時報が5月1日付の記事でマーベルを非難した。現在、中国の検閲当局が同映画を審査しており、公開の可否をまだ決定していない。
米ハリウッドの名プロデューサー、クリス・フェントン(Chris Fenton)氏は以前に、大紀元に対し、「マーベルの新作は中国で検閲に直面することになるだろう」と話していた。
「大紀元が映画に登場したことは当然、同映画の(中国)市場参入に影響することになる」と指摘した。
チャペック氏は、中国市場で挫折したにもかかわらず、ディズニーがうまくやるだろうと楽観的な見方を示した。
中国で上映された2016年版『ドクター・ストレンジ』の世界興行収入は6.77億ドルだった。うち中国からの売上は1.09億ドルだった。
「仮に中国での公開が困難な状況が続いたとしても、中国での興行収入が他の地域よりも相対的に低いことを考えると、私たちの成功は妨げられないだろう」とチャペックCEOは株主向けに述べた。
中国政府は、大紀元時報の英語と中国語の両方のウェブサイトを禁止している。大紀元時報は、共産党の政治闘争、少数民族や宗教団体に対する人権侵害、最近では当局のゼロコロナ対策に対する国民の怒りと不満を報道している。
(翻訳編集・李凌)
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