中国湖南省長沙市政府は6日、4月末に起きたビル倒壊事故の死者は53人と発表した。10人が救助された。
行方不明者は「全員見つかった」とし、現場での救助活動を打ち切った。
同市で先月29日、6階建てを8階まで増築した「違法建築」の疑いのあるビルが突然崩壊した。当時、周囲一面に砂ぼこりが立ち上がり、ビルは瓦礫の山と化した。
中国メディアによると、倒壊した8階建てのビルの1階は店舗、2階はレストラン、3階はカフェ、4~6階はファミリー旅館、7~8階は居住用だったという。
建物は長沙医学院付近に位置しており、建築面積は約800平方メートルだった。2012年に完成した時は6階建てだったが、18年に8階に増築され、入居者はリフォーム工事などを行っていたという。
事故発生時、ビル内の部屋にいた医学生や、レストランで食事をとっていた学生が多く閉じ込められたとされている。
当時、ネット上に連絡が取れなくなった医学生36人のリストが出回ったが、後に削除された。
ビル倒壊事故による実際の死者数は、当局の発表数を上回っているのではないかと疑う声もある。
事故発生後、長沙医学院は「防疫」を理由に学校を閉鎖した。だが、学生によると「校内で感染はなかった」という。
地元の関係者である胡さん(仮名)は1日、大紀元の記者に対し、「事故に関する多くの情報は当局によって封鎖された」と話した。
「政府は地元メディアによる現場での生中継を取り消した。民間メディアも現場に入れない。そのうえ、現場周辺5キロメートル範囲内の高層ビルは立ち入り禁止になった」という。
近年、中国各地で「ずさんな手抜き工事」が原因の建物倒壊事故が多発している。
19年、北京市昌平区の新築分譲マンションの壁が「紙のように」簡単に手で剝がれてしまい、中にはビニール袋がぎゅうぎゅう詰めにされていたと報じられた。
(翻訳編集・李凌)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。