「立ち上がれ」中国SNSが中国国歌を封殺、上海ロックダウンで不満

2022/04/21
更新: 2022/04/22

深刻な物資不足や二次被害を引き起こした上海のロックダウン(都市封鎖)は、国民の不満に火をつけた。

中国版ツイッタ‪ーの「微博(ウェイボー)」上に、当局への不満をぶつけるトピックスが多数あった。中には、中国国歌『義勇軍行進曲』の冒頭の呼びかけ文「立ち上がれ! 奴隷になるのを望まぬ人々よ!(起来! 不愿做奴隶的人们! )」も含まれている。

同曲は1930年代に抗日戦争に参加する義勇軍兵士の士気を鼓舞するために作られた。歌詞に「中華民族が最大の危機に到る時、誰もが最後の雄叫びを余儀なくされる」と書かれている。

上海のロックダウンが3週間続くなか、深刻な食料不足のほか、PCR検査を受けていないことを理由に急病患者の受診を拒否する病院が相次いだ。中に痛みに耐えられず飛び降り自殺を図った市民もいるなど、市民の不満は限界に達している。

上海の有名なラッパー「方略Astro」もこのほど、政府の権力乱用と生命軽視を批判する新曲『New Slave(新奴隸)』を発表した。

「自由と思想が権力に禁じられ 尊厳と命は価値のないものとなり」「健康な人は家に閉じ込められ、病人は病院に入ることが許されず」「血の臭いがするその手、あまりにも汚れている」「ウイルスよりも恐ろしいのは人間が人を食うことだ」

当局を鋭く批判するこの曲は瞬く間に拡散され、現在、公式チャンネルから削除されている。

中国の元警察官で現在は民主活動家の董広平氏は19日、「中国当局は民衆が覚醒しないよう、ネットや世論をコントロールして、自身に対する不満の声を抹殺している」と大紀元に話した。

董氏によれば「中国人はまだ本当に覚醒したとは言えない」という。

「今回のロックダウンで、不満を持つ市民が生き延びるために、政府に反発しているが、政府が食料を与えれば、彼らはまたその恩に感謝するだろう」

「人々が本当に覚醒するのは、中国共産党の独裁に対する真の認識を持った時だ」と指摘した。

2020年に武漢でパンデミックが発生した時も、集合住宅に住む市民は毎晩、決まった時間に国歌を歌い、政府への不満を訴えていた。

(翻訳編集・李凌)