国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチを含む60の人権団体は19日、バチェレ国連人権高等弁務官の中国訪問は信頼性を確保するため、最低限の基準を満たす必要があると指摘した。バチェレ氏は、5月にも新疆ウイグル自治区を視察することで中国側と合意したと表明している。
団体が発表した共同声明には「中国における人権問題に対処する高等弁務官のアプローチに一貫性がない」と懸念を表明した。その上で新疆での深刻な人権侵害に関する報告書を速やかに公表するほか、訪問に先立ち中国人権問題に取り組む独立した市民組織やその被害者と面会するよう求めた。
新疆ウイグル自治区では100万人を超えるウイグル人や少数民族が恣意的に拘束され、不妊手術や臓器収奪、強制労働が行われていると人権団体などから指摘されている。国連人権高等弁務官に対しては長年、同自治区への訪問を求める声が上がっていた。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの中国担当ディレクター、ソフィー・リチャードソン氏は、中国政府は人権侵害が指摘される新疆などへの制限のないアクセスを容認する姿勢を示していないと指摘。中国政府がバチェレ氏の行動を操作することで「人道に対する罪や虐待の被害者を失望させてはならない」と訴えた。
米国務省ほかオランダ、カナダ、英国、フランスの各議会もウイグル人に対する中国政府の弾圧を「ジェノサイド」と認定している。
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