3月に拘束された不法移民数22万超 20年間で過去最多

2022/04/18
更新: 2022/04/19

国土安全保障省(DHS)が15日に裁判所に提出した資料によると、3月にメキシコ国境で拘束された不法移民の数は22万を超え、20年間で過去最多を記録した。バイデン政権は、中共ウイルス(新型コロナ)の感染拡大防止を理由に米国への不法移民を即時送還する法的措置「タイトル42」を来月廃止すると発表しており、不法移民の更なる増加が懸念される。

DHSの資料によると、3月のタイトル42に基づく送還は12万3304件。収容人数は、米国税関・国境警備局(CBP)と移民税関捜査局(ICE)の収容者を合わせた約3万1715人に上った。

入国を許可した越境者は8万人を超えた。裁判所への資料提出は、テキサス州とミズーリ州がバイデン政権に起こした連邦訴訟の一環で、毎月の報告が義務付けられている。

トランプ前政権に導入されたタイトル42の廃止について、共和党議員や一部の民主党議員からは抗議の声が挙がる。テッド・クルーズ上院議員はバイデン氏に宛てた7日付の書簡のなかで「政権の(移民)政策に深く懸念を抱く」と明記した。タイトル42は公衆衛生を守り、増加する不法移民を管理するためにも必要な措置だと訴えた。

メキシコと国境を接するテキサス州のアボット知事もタイトル42の廃止に抗議し、入国手続きを終えた越境者をバスで首都ワシントンに送るという奇策を講じた。フロリダ州のデサンティス知事も6日、同州の不法移民をデラウェア州に送ると発言している。同措置は5月23日に廃止される予定だ。

3月下旬、DHSの高官は記者団に対し、タイトル42の廃止により米国への移民「流入が増加する」可能性があると述べた。1日あたりの不法移民の数が最大1万8000人に上る可能性があるとして、緊急時の対応策を用意している。

米国をはじめ国際関係担当。