台湾軍、軍事的危機に備える冊子を発行 中国念頭に

2022/04/13
更新: 2022/04/13

ロシアのウクライナ侵攻を受け中国共産党による台湾侵攻が取り沙汰されるなか、台湾の国防部は12日、軍事的な危機に対応するための冊子を発行した。

28ページの冊子は、QRコードをスキャンして防空ごうを探す方法や空襲警報の識別や建物倒壊や断水・停電時の対処、予備役の動員情報などについて解説している。

全民防衛動員署の劉泰益・物力動員所長 は「軍事的危機や災害が発生した場合に備えて、緊急対応策を国民に提供し安全を確保するものだ」と述べた。冊子は日本とスウェーデンが発行した類似の冊子を参考にしているという。

蔡英文総統はロシアによるウクライナ侵攻開始直前の2月23日、東欧の緊張の高まりを受けて台湾海峡周辺の軍事動向の監視と警戒強化を指示した。また邱国正・国防部長は先月、4カ月間の軍事訓練の義務を1年に延長することを検討していると発言している。

全民防衛動員署は1月に設立されたばかり。中国共産党による台湾侵攻を念頭に、予備役部隊の強化を図っている。

米国も1979年に定めた台湾関係法に基づき、防衛能力の維持に向けた台湾への支援を継続している。米国務省は6日、台湾にミサイル防衛システム「パトリオット」支援に必要な訓練や関連装備などの売却を承認した。売却総額は推定9500万ドルとされる。

米国要人の台湾訪問も注目を集める。3月には対中強硬派として知られるポンペオ前国務長官が訪台。先週には、米下院議長として25年ぶりにとなるペロシ氏の訪台が調整されていた。中共ウイルス(新型コロナ)の検査で陽性となり、延期されている。

米国をはじめ国際関係担当。
関連特集: 台湾海峡の風雲