ロシアの作戦失敗で慎重姿勢 中国、台湾侵略計画の延期も

2022/04/01
更新: 2022/04/01

ロシアによるウクライナ侵攻での失敗から得た軍事的教訓により、台湾統一をにらむ中国共産党政権は慎重姿勢を見せ、侵略計画を延期する可能性がある。

台湾の対中国大陸政策を担う行政院大陸委員会は3月30日の会合で「中国共産党はロシアの戦闘経験、ウクライナの抵抗、世界的な制裁措置などを教訓に、台湾海峡で起こりうる紛争状況を推測している」と述べた。

ロシアは戦況を見誤ったほか、不正確な情報分析や軍将の昇格を専門知識でなく個人的な関係で決定していたと指摘した。これは「中国人民解放軍にとって大きな教訓となった」と述べ、武力行使にはさらに慎重を期すだろうと分析した。

台湾当局はウクライナと台湾の事情は根本的に違うと強調しているが、軍事的な威嚇行為を続ける中国共産党には引き続き警戒を強めている。

台湾国家安全局の陳明通局長は28日の立法院(国会)外交国防委員会で、ロシアによるウクライナ侵攻は中国共産党に「容易に戦争を始めるべきではない」という警告シグナルを送ったと発言した。その上で「中国は一旦攻撃を決めれば全面的な作戦でなければならないということを理解しただろう」と付け加えた。

また、蔡英文総統の残り任期3年間の間に台湾を侵攻することはないと推測した。

中国軍機は台湾の防空識別圏(ADIZ)への侵入を繰り返し、圧力を強めている。台湾の邱国正・国防部長は23日、4カ月間の軍事訓練の義務を延長することを検討していると述べた。昨年10月には「2025年以降、中国(共産党)が全面的な台湾侵攻の能力を持つ」と危機感を示した。

米国をはじめ国際関係担当。