スイスとポルトガルはこのほど、北京冬季五輪に政府関係者を派遣しないと相次ぎ発表した。
スイスは1月26日、「北京冬季五輪・パラリンピックへの閣僚派遣を見送る」と発表した。
国内の中共ウイルス(新型コロナ)感染症の拡大や中国政府の感染防止規制を理由に挙げ、「政治的な動機」ではないとしている。
スイス公共放送ラジオ・テレビ局RTSの記者であるムリエル・バラマン氏は、「スイス代表団のメンバーが中国入りした後、陽性反応が出た場合、隔離措置を受けなければならない。そんな事態を連邦委員会は想像したからだ」と中国の防疫対策を理由に挙げた。
中国政府による人権侵害をめぐって、スイスの人権団体や議員らはスイス政府に対し、他の西側諸国と共に北京冬季五輪をボイコットするよう呼びかけていた。
スイス下院の外交委員会メンバーを務める社会民主党のファビアン・モリーナ議員は、「人道に対する罪が問われている国で、今はお祭り騒ぎをしている場合ではない」と訴え、「外交的ボイコット」に支持を表明した。
ポルトガル、「EUと連帯する」
いっぽう、ポルトガルのサントスシルバ外相も24日、欧州連合(EU)外相会合の後、「ポルトガルは北京冬季五輪の式典に政府関係者を派遣しない」と記者団に明かした。
理由について、「ポルトガルの政治的スケジュール(選挙)」や「目下の状況下でEU自体の連帯」などを挙げた。
EUの欧州議会は20日、香港での人権状況の悪化を理由に、EUや加盟国に対し、北京冬季五輪へ外交団を派遣しないよう求める決議を採択した。
決議に拘束力はない。
中国は28日、北京冬季五輪に出席する国際政治要人のリストを発表した。
EU諸国の中で開会式に出席する予定の国家元首は現在、ポーランドのドゥダ大統領のみとなっている。
ドイツの欧州緑の党のラインハルト・ブティコファー 議員は自身のツイッターで、「これは輝かしいリストだ」と皮肉った。
2月4日から開催される北京冬季五輪を巡って、米英豪加などは中国の人権状況を問題視し、政府代表団を派遣しない「外交ボイコット」を決めている。
(翻訳編集・李凌)
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