米国務省、中国共産党の不当判決を非難 法輪功学習者11人の釈放求める

2022/01/23
更新: 2022/01/23

米国務省は21日、信仰を理由に中国共産党が法輪功学習者11人に最長8年の有罪判決を下したことを非難し、迫害を即時停止するよう求めた。11人は中国国内の中共ウイルス(新型コロナ)感染拡大の情報を大紀元に提供したとして2020年7月に拘束されていた。

「法輪功学習者に対する卑劣な虐待や不当な扱いを直ちに終わらせ、信仰を理由に投獄されている人々を釈放し、行方不明の学習者の所在を明らかにする」よう中国共産党に求めていると、国務省関係者は大紀元の取材にメールで答えた。

「中国共産党は1999年から、中国発祥の精神修養法である法輪功やその平和的な学習者、信念の権利のために戦ってきた人権擁護者を根絶しようとしてきた」とその非人道的な行為を非難した。

さらに「何千人もの法輪功学習者が、信仰を平和的に実践しているというだけで毎年、拘束や嫌がらせ、拷問、虐待を受けている」と述べ「中国共産党が今日まで法輪功を弾圧し、虐待行為を続けていることを示す多くの証拠がある」と指摘した。

北京の裁判所は14日、信仰を堅持し、大紀元に写真や情報を提供した11人に対して「法執行を妨害した罪」で有罪判決を言い渡した。法輪功学習者の弁護をしたことで少なくとも1人が弁護士資格を剥奪されている。

法輪功は「真善忍」という3つの理念に基づく精神修養法だ。心身の健康と道徳性の向上に顕著な効果が見られるとして1992年に中国で伝えだされた。これ以降わずか7年間で学習者の数は数千万人に上った。しかし、中国共産党はこれを脅威とみなし、99年7月から弾圧政策を実施。今なお、その迫害は続いている。

リック・スコット上院議員は大紀元の取材で「中国共産党は宗教的少数派に対する(根絶)活動を執拗に行っている」と語った。

「今回の法輪功学習者に対する攻撃は、中国共産党が行っている弾圧行為の氷山の一角にすぎない。この邪悪な政権との関係を断ち切り、支援をやめるべき理由はこれだけにとどまらない」

世界の目が中国に注がれる中での判決

北京冬季五輪を数週間後に控えるなか、今回の有罪判決は下った。米政府機関の国際宗教自由委員会(USCIRF)の元委員ジョニー・ムーア氏は、米国の両党および各国の道徳に基づく判断力が求められると主張する。

「五輪前に人々を一斉検挙する暴挙」を犯した中国共産党に対して、民主党と共和党および米国の同盟国は「超えてはならない一線を引く必要がある」と力説。「社会正義を強調してきたすべての企業も同じだ。彼らは選択を迫られている」と大紀元に語った。

11人のうち最も重い判決を言い渡されたのは北京在住の画家、許那さんだ。同氏はこれまで2度、合わせて8年の不当な懲役刑に服した。180度開脚させられ、3人の受刑者が足や背中に圧力をかけ続けるなどの数々の拷問を受けてきた。「生きるのは死ぬよりも辛い」と法輪功情報サイトの明慧ネットに当時の経験を語っていた。

「アウシュビッツの方がまし」アーティスト夫婦を襲った中共の迫害

夫の于宙さんも2008年北京五輪前に拘束され、拘置所で10日後に命を落としている。死因は拷問と見られる。

于宙さん(左)と妻・許那さん(提供:Minghui.org)

法輪大法情報センターのリーバイ・ブラウデ事務局長は大紀元のインタビューで「中国共産党はこの家族を完全に崩壊させた」と非難し「不当判決は、世界へのメッセージだ」と指摘した。

「中国共産党は、オリンピック開幕の3週間前という世界の目が北京に注がれている時期に許さんに判決を下すことを選んだ」「まるで法輪功学習者を恣意的に投獄し、誰もそれを止めることができないと世界に見せつけているかのようだ。そんなことは決してあってはならない」と訴えた。

米国をはじめ国際関係担当。