カナダ情報安全局(CSIS)は国内の安全保障と民主主義を脅かす中国共産党と他の敵対国家による内政干渉に注意を払うべきだと、国会議員らに警告している。現地大手紙「グローブ・アンド・メール」が11日、伝えた。
報道によると、CSISのタウンゼント報道官は外国の影響や干渉に注意するよう国会議員に資料を渡し、警告している。誰に資料を渡したかを同氏は明言していない。しかし、報道によればCSISは中国共産党政権が影響を与えうるとみなすカナダの議員のリストを作成しているという。
情報機関からの警告を受けた議員ら
カナダ下院で外務・国際開発常任委員会の副委員長を務めるマイケル・チョン議員は、情報当局は国会議員の活動に影響を与え、カナダ国内での外国からの破壊的な干渉があると警告を受けたという。
「他国政府はずっと一部の人に影響を与えようとしているが、今回CSISは脅迫、転覆、偽情報などの手段にも言及した」とし、CSISが特定の議員にこのようなブリーフィングを行うのは初めてだとチョン氏は言った。
匿名希望の情報筋によると、CSIS職員は国会議員に対し、不審な動きに気づいた場合は知らせるよう求めたという。そして、議員はカナダでの外国勢力の干渉に対処する役人の名前と連絡先が伝えられた。
中共、カナダ総選挙を妨害するために偽情報を流布
カナダ国会の国家安全保障・情報委員会は2020年に発表した年次報告書の中で「外国勢力の介入によりカナダが受ける脅威は増加している。その活動はより確立されてきている」とした上で、中国とロシアを名指しで非難した。
去年12月、世界の偽情報を監視するカナダ拠点団体「ディスインフォ・ウォッチ(DisinfoWatch)」は報告書のなかで、中国共産党公式メディアと代理人は2021年のカナダ連邦選挙結果に影響を与えるため、扇動記事や偽情報を流したと指摘した。共産党に不都合な政策の阻止や政治行動を弱体化する狙いがあるという。
報告によると、中国当局の代理人は共産党機関紙・環球時報やSNSの微信(WeChat)、華僑が集まるローカルサイトなどで扇動記事や偽情報を流していた。偽情報は特に、中国共産党が好まない政策成立を試みる候補者や、保守党にネガティブな印象を与えるもので、中国系カナダ人の有権者が野党・保守党候補者を選ばないよう世論操作しようとしていた。
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