中国出身でジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)前英外相の妻ルシア・クオ(Lucia Guo)氏が、中国の人権侵害を粉飾する中国官製メディアのテレビ番組で司会を務めたと、英紙「デイリー・メール」は25日付の報道で伝えた。
報道によると、ルシア氏は英スカイ(Sky TV)放送の番組「中国時間(China Hour)」で、視聴者に中国文化を紹介する「花開中国(Signature Flowers of China)」という特集の司会を務めた。
番組の中で、ルシア氏は中共ウイルス(新型コロナ)の流行に対する中国政府の有効的な応対と、新疆ウイグル自治区の美しい風景などを紹介した。新疆ウイグル族など少数民族を迫害する「強制収容所(再教育キャンプ)」について触れなかった。
同番組は、中国国営中央テレビ(CCTV)傘下の中国国際電視総公司(CITVC)と英国を拠点とするDove Media、そして中国国家観光局ロンドン駐在事務所などが提携して制作したもので、9月から放送を開始した。YouTubeでも公開している。
米国に本部を置く国際NGO団体、フリーダムハウス(Freedom House)の人権活動家は、同番組が中国の対外プロパガンダの一環であると非難した。
同NGOの上級アナリストであるサラ・クック(Sarah Cook)氏は、中国の政府メディアなどが制作したコンテンツを海外の視聴者に流すというやり方はとても陰湿で、権威主義的で残忍な(共産党)政権を粉飾していると指摘した。
報道によると、5年前にハント氏が保健相を務めていた時、代表団を率いて中国を公式訪問した際に、中英メディアの制作協定や英スカイテレビのチャンネル191で「中国時間」の番組を放送するなどの合意に達した。
ルシア・クオ氏は中国・西安生まれで、英ウォーリック大学で働いていた2008年にハント氏と知り合った。2人は09年7月に結婚し、3人の子どもがいる。
(翻訳編集・李凌)
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