世界の海運データ狙う中国 悪用の恐れも

2021/12/23
更新: 2024/03/04

米政府は、中国が最先端の貨物データシステム「LOGINK(国家交通運輸物流公共情報プラットフォーム)」を通して海運データを握ることに懸念していると米紙が報じた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは20日付の記事の中で、中国の「LOGINK」が各地の港湾や物流ネットワークとの連携を強化し、世界の荷動きに関するデータを把握する能力を拡大させていると指摘した。

「LOGINK」は、中国の交通運輸部が監督している。公的データベースのほか、45万以上に上る世界各地の巨大港湾のユーザーから入力された情報にアクセス可能で、欧州や中東の貨物データシステムとも連携している。

貨物データのデジタル化に関して、欧米は中国に後れをとっていると同紙は指摘した。

中国に寄港しない貨物でさえも、「LOGINK」を通過するケースが多い。

米議会の米中経済・安全保障調査委員会のマイケル・ウェッセル(Michael Wessel)委員長は、「LOGINKは世界貿易への入り口であり、国家安全保障や経済的利益につながる情報の宝庫だ」と指摘した。

米海軍大学中国海洋研究所のアイザック・カルドン(Isaac Kardon)助教授は、「LOGINKは中国の地政学的地位強化の目標と一致している」と指摘した。

「情報を持っていれば、他人に気づかれないうちに物資を移動させたり、あるいは他人の情報を攪乱させたりできる」と述べた。

米軍は世界中の商業港を経由して軍装備を手配している。

米国防総省の物流部門の報道官は、LOGINKには直接言及しなかったものの、「中国は米軍の国際供給網への可視性を高めようとしている」と指摘した。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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