海上自衛隊は14日、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、ドイツ海軍と沖縄南方で共同訓練を実施したと発表。今回の訓練は13日に行われ、護衛艦「ゆうぎり」とドイツ海軍のフリゲート艦「バイエルン」が参加した。
海上自衛隊によると、共同訓練によって戦術技量の向上とドイツ海軍との連携強化を目指すという。ドイツ海軍の「バイエルン」は11月5日、約20年ぶりに日本に寄港し、海自と共同訓練を行い両国の連携強化を図った。
「バイエルン」は対北朝鮮国連制裁に関する警戒監視活動にはじめて参加し、11月13日から12月14日まで極東アジア地域を航行していた。制裁は、北朝鮮による大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発・保有の阻止を目的とするもの。台湾海峡は通過していない。
ドイツの外務省と国防省は11月12日付の共同声明で次のように述べた。「バイエルンは、他の国々とともに国連の『目と耳』となり、公海上における決議違反の瀬取りに関する情報を収集する」「ドイツは警戒監視活動参加により、ルールに基づく国際秩序の維持並びに大量破壊兵器の拡散防止に向けた国際社会の取組みへの積極的な貢献を行う」
バイエルンは12月2日に韓国釜山港に寄港し、艦長と乗組員は北朝鮮との非武装地帯(DNZ)を訪問している。ソウルのドイツ大使館はフリゲート艦派遣について「21世紀の世界の地政学的な軸として浮上しつつあるインド太平洋地域での活動を強化するとのシグナル」だと述べた。
韓国の朝鮮日報によると、北朝鮮外務省は「ドイツが遠いアジア太平洋地域に海軍艦艇を派遣し、朝鮮半島近海での監視活動に参加することは、米国に味方する露骨な敵対行為だ」と抗議したという。
米中冷戦が続くなか2021年晩夏から英独仏など欧州主要国や米国による軍事訓練がインド太平洋地域で活発に行われた。
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