台湾の蔡英文総統は13日、台湾と外交関係を持つホンジュラスのエルナンデス大統領と台北市内で会談した。双方は、今後も国際社会で助け合い、友好関係を続けていくと強調。ホンジュラスに台湾との断交圧力を強める中国に、対抗姿勢を示した形だ。
外交関係樹立80周年に合わせて訪台したエルナンデス氏は会談で、「我々は真の友人だ。困難な時期にこそ真の友情かが試される」と述べ、今後も友情と外交関係を深めていきたいと述べた。蔡氏はエルナンデス氏の訪台を「意義深い」とし、「両国が国際舞台で今後も助け合い、発展を促進できるよう願う」と語った。
台北の中央通信社によると、エルナンデス氏の訪問は2016年以来、5年ぶり4回目となる。中共ウイルス(新型コロナウイルス)の大流行以来、訪問した台湾と国交を結ぶ中米・カリブ海諸国の最初の国となった。
ホンジュラスは、台湾が外交関係を持つ15カ国のうちの一つ。中国共産党政権の断交圧力により、台湾は蔡政権が発足した2016年から2019年にかけて、7カ国との外交関係を失った。
中国は多額の経済援助を行うなどして、関係国に台湾との断交を迫っている。近年では、中共ウイルスのワクチン確保に悩む中米・カリブ海の一部途上国に対し、中国が「ワクチン外交」攻勢をかけた。台湾と外交関係を持つホンジュラスなどの8カ国がこの地域に集中していることから、台湾は警戒を強めている。
ホンジュラスでは28日に大統領選が行われる。エルナンデス氏は立候補せず、8年間の任期を間もなく終える見通しだ。世論調査では、最大左派野党LIBREで親中派として知られるシオマラ・カストロ氏がリードしている。同氏は、当選すれば「直ちに中国本土との外交・貿易関係を結ぶ」と明言しており、今後の両国関係が危ぶまれる。
台湾は9月、中国がホンジュラスの選挙を利用して「論争を起こそうとしている」と非難し、「中国政府のうわべだけの虚偽」に引き込まれないようホンジュラスに警告した。蔡氏は今回の会談で、新政権発足後も両国の協力関係に期待すると述べ、「スムーズな大統領選を願う」と語った。
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