世界38カ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)は9日、新型コロナウイルス感染拡大の影響について新たな報告書を発表した。それによると、メンタルヘルス(精神衛生)への影響は大きく、不安とうつ病の患者数はデータがあるほとんどの国々で新型コロナ危機前の水準の2倍に増加していることがわかった。
メンタルヘルスへの影響は、特にメキシコ、英国、米国で顕著に増加した。日本も増加傾向にある国として取り上げられている。
このほか、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、OECD全体で医療費が急速に増加し、医療現場の人手不足は世界中に広がっており、感染者ではない人にも間接的な影響を及ぼしている。
例えば、2020年の乳がん検査の受診率は2019年より平均で5%低下し、2020年には、股関節置換術の待機リストの日数の中央値は平均58日、膝関節置換術は平均88日に増加した。
OECD諸国のほぼ全体で、過去10年間に医療従事者は増加したが、依然として現状対処には不足している。報告書は、一次医療と病気予防の改善への投資を増やし、医療制度の危機対応力と準備の強化を重視すべきだと指摘した。
新型コロナウイルスのパンデミックにより、OECD諸国の2020年平均医療支出で、2019年の8.8%より9.7%までに増加したという。
また、パンデミックの中で、喫煙、アルコールの有害的な摂取、肥満などの生活習慣の関係で、新型コロナウイルス感染症の死亡率が高まると明らかになった。
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