カナダ放送協会(CBC)などが行った最近の調査によると、カナダを含む世界大手フードチェーンは、中国新疆ウイグル人の強制労働によって生産されたトマト製品を販売している可能性が高いことがわかった。
この結果を受け、カナダで展開している米スーパー大手「ホールフーズ・マーケット」は、トマトケチャップ「365 Double Concentrated Tomato Paste」を販売中止した。
CBCはイタリアの調査報道NPO「調査報道プロジェクト・イタリア(IRPI)」と英紙ガーディアンとの合同調査を行った。
同調査はネスレ、デルモンテ、ユニリーバなど3ブランドが、強制労働の疑いがあるトマト製品を取り扱っていることを突き止めた。3社は新疆ウイグル自治区の中国企業からトマトを仕入れ、パキスタンやフィリピン、インドなどの国で加工し、ウォルマートやカナダのT&Tなど各国の食品小売企業に出荷している。
カナダの大手スーパーマーケットのロブローズ、ソビーズ、ホールフーズがイタリア企業から仕入れるトマト製品は、新疆ウイグル自治区産のトマトを使用していることも判明した。
CBCによると、数カ月間にわたる同調査は、複雑に構成されているサプライヤーのネットワークを調べた。中国企業に覆面調査員を送り込み、各種国際出荷記録を分析するなど膨大な作業を要した。
カナダの法律の定めでは原材料の産地表示は不要で、最終加工国のみを表示する。消費者は食品のラベルから、トマトの産地を知ることはできない。
米国政府は、今年はじめに浮上した中国の強制労働問題を受けて、新疆ウイグル自治区産トマト製品の輸入を禁止したが、カナダではまだ流通している。
共産主義の犠牲者記念財団(VCMF)の中国分野の上級研究員エイドリアン・ゼンツ氏は、「モラルが欠如している」と関連サプライチェーンを批判した。
(翻訳編集・叶子静)
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