今年5月、こん棒を持った暴漢が香港大紀元の梁珍・副編集長を襲撃した事件で、香港警察はこのほど、捜査を終了し、容疑者を起訴するための「十分な証拠」を得られなかったと示した。梁氏は引き続き追及していくと表明した。
梁氏は5月11日、自宅を出たところ、覆面の男にこん棒で襲われ、両足を負傷した。警察当局は約1週間後に、少なくとも容疑者1人を逮捕したと梁氏に伝えた。さらに3週間後、梁氏は不審な男に尾行されたと警察に通報し、証拠写真などを提供した。警察側はこの男を遊蕩罪(徘徊の罪)の疑いで拘束した。しかし、当局は容疑者らを送検していない。
警察当局はこのほど、梁氏に対して、「調査から得られた証拠を慎重に精査した結果、誰かを起訴するための十分な証拠がなかった」と説明した。当局は、「今後、関与者に関する情報が増えれば、事件を見直す」と再調査の可能性に含みを持たせた。
梁氏は、警察が捜査終了を決めたことに「強い失望感」を抱いたとし、「最後まで事件を追及する。悪事を働いた者には必ず正義の裁きが下る」と述べた。
梁氏は、証拠写真と目撃者の情報を警察に渡したにもかかわらず、犯人を特定できなかったのは「市民が通報しても何の意味もないということだ」と肩を落とした。警察当局の対応は不十分で、「香港の国際イメージを損なう」と批判した。
梁氏が襲撃を受けた後、米国国務省、国境なき記者団、香港記者協会などは相次いで、非難声明を発表した。
(翻訳編集・張哲)
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