レジ袋使わない生活「定着していると思う」 環境省、プラ製品有料化案を推進 12品目へ拡大も

2021/10/07
更新: 2021/10/07

賛否両論の「レジ袋有料」問題について、環境省マイバッグを持参するといった新しい生活様式が定着しているとし、12項目のプラ製品有料化を含む方策を進めていく姿勢を示した。岸田内閣の誕生で山口壮氏が環境大臣に登用されたことで、プラスチック製品の有料化に関する今後の取り組みに関心が寄せられていた。

レジ袋有料化は10年前から議論

10月5日に行われた記者会見ではレジ袋に関する質問が出た。これに対し山口大臣は、色々な声が届いていることを認めつつ、「やっぱり世の中が変わるときには、色々な意味でひずみが出てくる。だから、どういうふうにするかというのは、これからまた続けていくということも含めて、また色々な議論をしなければいけないかもしれない」と回答、レジ袋有料化政策について直接的な言及はなかった。

同日午前には、桜田義孝衆議院議員が自身のツイッターアカウントで「地域の皆様からの要望で、レジ袋についてのご要望を頂いております。レジ袋有料化のメリットデメリットについて、私の盟友である山口つよし環境大臣に直接ご相談をさせていただきました」と投稿していた。

環境省はどのように考えているのか。取材に対し、環境省の担当者は、レジ袋の有料化は10年ほど前から行われている議論だと語った。

「もともと10年くらいレジ袋の有料化が検討されており、自治体によっては10年前から有料化しているところもある。研究や実証実験を何回も行った。やっと、という感じ」。

効果は出ているという。「有料化のタイミングに合わせて、『みんなで減らそうレジ袋チャレンジ』というキャンペーンをやっている。そのお知らせにもある通り、有料化の前は、去年3月には、一週間にレジ袋を使わないという人はたった3割だったが、有料化した後の昨年11月には7割になった。いろいろな業界団体や大手小売りのヒアリングでは7~8割程度の辞退率。レジ袋を使わずマイバッグを持つ新しい生活スタイルが定着していると思う」。

そのうえで、レジ袋有料化は単独の取り組みではなく、政府の環境対策の一部であると強調、「まるでレジ袋の次はカトラリーみたいな取り上げられ方となっているが、カトラリーのほかにもストローとか、ホテルのアメニティ、クリーニング店のハンガーなど、全12品目が対象になるということで8月に案を示した。パブリックコメントや最終審議会を経て年内に決められるよう動いている」と述べた。そして、一連の政策は今年6月に成立した「プラスチック資源循環促進法」に基づくものだと説明した。

来年度には12品目が有料化へ

政府は今年6月、プラスチック製品の再生利用とごみ削減等を推進するため、「プラスチック資源循環促進法」を新たに制定した。8月下旬に開かれた環境省と経済産業省合同の審議会では、同法に基づいて企業や自治体に要求する対策案が策定された。

環境省は、提供量が多く、使用を合理化することでプラスチックごみの排出の抑制が見込まれること、そして、過剰な使用を削減したり代替素材への転換を促したりする観点から、12品目を「特定プラスチック使用製品」として指定した。

指定された12品目は①コンビニやカフェなどで提供されるフォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー、②ホテルや旅館などで用意されるヘアブラシ、くし、かみそり、シャワー用のキャップ、歯ブラシ、そして③リーニング店などで使われるハンガー、衣類用のカバー、である。

指定された製品は素材の転換や有料化などを求められる。

そのうえで、対象となるプラスチック製品を年間5トン以上提供する事業者には上記対策が義務化され、取り組みが不十分だと判断された場合には国が勧告や社名の公表などを行う。

これらの具体的な取り組みは政令や省令などとして定められ、「プラスチック資源循環促進法」と合わせて来年4月1日に施行される予定だ。

(王文亮)