梁振英前香港行政長官の名も 各国首脳や富豪がタックスヘイブンに関与「パンドラ文書」

2021/10/04
更新: 2021/10/04

国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した新資料は、世界各国の現旧首脳35人や富豪らによる、タックスヘイブン(租税回避地)に設立した秘密法人を使った税逃れや蓄財隠しの実態を明らかにした。

ICIJが各地のタックスヘイブンに法人や信託の設立や管理を専門とする法律事務所と信託会社14社の1190万件以上の内部文書を入手した。この14社は、利用客の課税逃れや蓄財隠しを目的とした資産・投資プロジェクトの海外移転を行う。内部文書には、電子メール、法人登録資料、株主関連資料などが含まれている。ICIJはこれらの文書を「パンドラ文書」と名付けた。

パンドラ文書では、英国のブレア元首相や、ロシアのプーチン大統領、ケニアのケニヤッタ大統領など各国の現旧首脳35人のタックスヘイブンとのつながりが明らかになった。また、91カ国・地域の政治家と政府高官の330人余りや、米フォーブス誌の世界億万長者番付にランクインした富豪130人、各国の王室メンバー、スポーツ選手、宗教団体創立者、詐欺犯罪者などのタックスヘイブンを介した取引が確認された。

香港ネットメディア「立場新聞」は、パンドラ文書の調査に加わった。

立場新聞によると、香港特別行政区の初代行政長官である董建華氏、梁振英前行政長官は、14社のうちの1社である「恒泰信託(BVI)有限公司(Trident Trust Company(BVI)Limited)」の利用客である。両氏は、自身、または家族がオフショア会社を設立するために、香港の法律事務所や資産管理会社などの仲介業者を通じて、恒泰信託を使っているという。

同文書には、中国電子商取引大手、アリババ集団の創業者の1人で大株主である蔡崇信氏も記載されている。カナダ紙トロント・スターによれば、カナダ国籍の蔡氏は複数のオフショア企業などを介して、アリババ集団の株式を大量に保有した。また、蔡氏は、これらのオフシュア企業を利用して、米上場を含むアリババ集団の業務を処理しているとみられる。

パンドラ文書はオフショア企業2万9000社の実質所有者を明らかにした。国別でみると、ロシアが4440人あまりで最も多い。2位から4位は英国が3500人あまり、アルゼンチンが2500人あまり、中国が約2400人と続く。

(翻訳編集・張哲)

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