中国で絶えない「横取り商標登録」  韓国企業、5年間で30億円損失

2021/10/02
更新: 2021/10/02

韓国企業の商標が中国で先取り登録される被害は過去5年間、9584件発生し、損失総額は約333億ウォン(約30億円)に上ったことがわかった。

この問題を調べている野党「国民の力」のリー・チョウフアン議員が9月24日、韓国特許庁から資料を入手した。それによると、2017年に韓国企業の商標が中国で先取り登録された件数は977件、2018~20年の間、それぞれ1666件、1486件、3457件と増加傾向にある。今年は8月時点で、すでに1998件が確認された。5年間の損失総額は約333億ウォンに達した。

中国で韓国商標が不正登録されたのは、韓国のフライドチキンチェーンのGoobne Chicken(グッネチキン)、Hoshigi Double Chicken(ホシギダブルチキン)、Don Chicken(ドン チキン)の3社と、かき氷チェーンのSul bing Café(ソルビン)、乳業メーカーのソウル牛乳など人気ブランドである。

デザートカフェチェーン大手のSul bing Caféは2015年、中国進出計画を進めている過程で、中国で同社のロゴがすでに商標登録され、上海だけで400店舗以上のフランチャイズ店がオープンしていたことに、はじめて気づいた。店の内装、メニュー、ユニフォーム、ティッシュまですべてが韓国の店とそっくりで、同社の中国での展開が困難になった。

Sul bing Caféに加盟した中国フランチャイズのオーナーらは、商標の管理を怠ったとして同社を相手取り訴訟を起こした。同社は9億ウォン(約8100万円)の賠償金を払った。同社は2020年、中国で同商標登録の抹消を求める裁判を起こし、今年1月に勝訴したものの、中国進出を断念した。

中国では、他国の商標を先取り登録する「闇ビジネス」を展開する企業や個人は少なくない。本来の商標権者の商標登録を邪魔し、高額なライセンス料や買い取り交渉を持ちかけることが目的だという。

(翻訳編集・叶子)