オーストラリアの法輪功団体の代表は13日、豪州議会での証言陳述で、中国政府は同団体にさまざまな妨害工作を働いており、豪州の民主、自由、人権を脅かしていると主張し、豪政府に調査を要請した。
豪州議会の外務・防衛・貿易合同常任委員会の人権小委員会がこの日、少数民族に関する公聴会を開いた。
オーストラリア法輪大法佛学会のルーシー・ジャオ会長は、リモートで証言を行った。ジャオ会長は委員会に、過去22年間に豪州の法輪功学習者が直面したさまざまな人権問題や妨害は、中国政府側が水面下で働いた結果だと主張した。
ジャオ会長は、「中国政府は、法輪功問題を外交のレッドラインと定めているため、豪政府や他の多くの国は法輪功弾圧問題を避けている」と述べた。
中国共産党(以下、中共)による妨害工作の実態について、ジャオ会長は「氷山の一角」として例を挙げた。
2018年9月11日、ビクトリア大学側は、法輪功団体が主催のドキュメンタリー映画『假孔子之名(孔子の名のもとで)』上映会の数日前に、一方的に校内会場の使用許可を取り消した。
オーストラリアン(The Australian)紙がのちに政府ルートで調べた結果、同大学は中国領事館が介入した翌日に決定を下したことがわかった。
同映画は、孔子学院元講師の実話を通して、中国政府が文化交流とうたって設立した海外教育機構・孔子学院は、所在国のイデオロギーに影響する役割を果たしている、と暴露した。
ジャオ会長は、中共が資金援助などの形で豪州のほとんどの中国語メディアを支配していると証言し、これらのメディアは中共の指図で、法輪功やその他の反体制派への憎悪をあおる宣伝や報道を繰り返していると訴えた。
同氏の証言によれば、同国ニューサウスウェールズ州とビクトリア州の中国領事館が州議員らに、法輪大法佛学会が主催する神韻公演を鑑賞しないよう、警告していた。同公演は中共によって破壊された中国伝統文化を復興させることが主旨だという。
ジャオ会長は、中共側のこうした妨害行為は「オーストラリアの民主主義と自由への干渉にあたる」と懸念を示し、豪当局は中共中央統一戦線工作部と繋がりをもつ組織や、中国学生学者連合会(CSSA)に対する調査を強化すべきだと主張した。
「彼らはオーストラリアで浸透工作を働き、共産主義の宣伝を繰り広げ、同国の民主主義の価値と利益を脅かす中共の代理人だ」「これらの組織の活動の実態、中共政権およびその在外公館との関係を調査し、制限をかけるべき」と付け加えた。
(記者:リ ルイ、翻訳編集:叶子)
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