アフガン選手、フランス経由で東京選手村に到着 パラ会長「世界規模の作戦を行った」

2021/08/31
更新: 2021/08/31

タリバンの統治による情勢不安が続く中、東京2020パラリンピック大会に出場するアフガン選手の男女2人が8月28日、東京の選手村に到着した。パラ会長のアンドリュー・パーソンズ氏によると、2人の選手は「世界規模の作戦」を通じてアフガンから退避し、フランスでトレーニングを行った後に東京まで飛んだという。

2人はそれぞれテコンドー女子に出場するザキア・クダダディ(Zakia Khudadadi)選手と、陸上競技の男子400Mに出場するホセイン・ラスーリ(Hossain Rasouli)選手だ。アフガニスタンから女性選手がパラリンピックに出場するのは、実に2004年以来初である。

国際パラリンピック委員会は最初、2人が出場できないとの知らせを受け取っていた。「両選手を含め、パラリンピックに関わる全ての人々は胸を痛めた」とアンドリュー・パーソンズ会長は声明に書いた。その後、「世界規模の作戦」を通じて、2人をフランスまで退避させた。パリの仏国営スポーツセンターでトレーニングを経て、無事東京へ送ったという。

五輪大会運営委員会は、「アスリートたちは、大会への参加や競技場でのパフォーマンスを通じて、アフガニスタンと世界の人々に希望と平和、そして連帯を呼びかけている」と声明を発表した。両選手および使節団長は、大会期間中の取材には応じられないという。

声明によると、アフガニスタン・パラリンピック委員会は、複数の政府や各国の五輪委員会など「アスリートの夢を実現するために支援を提供したすべての団体」に深い感謝の意を示したという。

28日夜、東京2020パラリンピック選手村に到着した両選手は、パーソンズ会長らに迎えられた。

 クダダディ選手は8月10日発表のパラ公式サイトの取材で「世界のアスリートたちと一緒に、ベストを尽くしたい。自分の能力を発揮するチャンスであり、他の選手たちと一緒に立てることを誇りに思う」と語っていた。

(翻訳編集・佐渡道世)