台湾に進出する米国企業による商工会組織、台湾米国商会(AmCham Taiwan)は23日、台湾のビジネス環境に関する評価をまとめた2021年版の『台湾白書』を発表した。白書は、在台湾の米国企業が直面する課題や提議を産業別にまとめ、米台相互貿易協定の締結に向けて提言した。
台湾米国商会は米政府に対して、米台相互貿易協定(BTA)の締結を求めているが、米国と台湾は正式な国交がなく、貿易協定を結ぶには法的に困難がある。このため、両国の貿易関係強化を目指す「台湾商業イニシアチブ(TCI)」も今回提案した。
白書によると、台湾政府に対する提議のポイントとしては、「デジタルの加速」、「サプライチェーンの強化」、「エネルギーの安定」、「台湾のバイリンガル政策」、「影響力の拡大」の5点を挙げた。
米国と台湾が1994年に締結した「貿易投資枠組み協定(TIFA)」に基づく協議は2016年以降、飼料添加物を使用した米国産豚肉の問題をめぐって対立したため、停滞している。
同商会のアンドリュー・ワイレガラ会頭は23日、「貿易投資枠組み協定(TIFA)」が近く再開されるとみられ、それをめぐる議論が今月末に行われる予定だと明らかにした。
(蘇文悦)