広東省で電力不足 年末まで続く可能性も=報道

2021/05/31
更新: 2021/05/31

中国南部の広東省広州市では、石炭の不足と価格の高騰により、電力の供給不足が深刻な状況になっている。中国財新網の報道によると、広東省における5月の最大の電力不足率は6.02%から8.3%で、消費電力ピーク時間帯における輪番制(輪番の電力使用)が年末まで続く可能性があるという。

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報道によると、5月中旬以降、広州市、佛山市、東莞市、恵州市、珠海市、中山市、潮州市、汕頭市、肇慶市、江門市など、広東省の17個の県級都市で電力利用制限が始まっている。5月の広東省の最大電力需要は1.33億キロワットで、800万キロワットから1100万キロワットの電力不足が予想されている。

広西チワン族自治区も深刻な電力不足を直面している。広西チワン族自治区工業と情報化庁が発表した電力消費計画によると、5月25日から30日まで、同地域の最大電力需要は2700万キロワットに達し、最大の電力不足は300万キロワットで11%を占めると予想されている。

雲南省においても、電力供給が厳しくなっている。雲南省エネルギー局は5月19日、5月10日から5月末まで雲南省で電力消費の規制を実施し始めたと発表。現在、省内における一部の電解アルミニウム生産企業は、すでに6月中旬から下旬まで生産を抑制・減産している。

財新網の分析によると、中国大陸における電力不足は高温の天候が続いており、4月と5月の乾季には水力発電の不足が原因だという。3月以降は石炭価格が徐々に上昇していることも要因となっている。

電力供給の逼迫は価格にも反映されており、5月18日の平均価格が1キロワットあたりで0.8778元(約15.13円)と最も高く、広東省における石炭のベンチマーク価格の1.9倍となった。

広東省の電力関係者が財新網に語ったところによると、価格上昇は電力不足のために高騰していることと、大型イベントの安定化を考慮したものだという。「大型イベント」とは、中国共産党創立100周年に向けたプロパガンダ活動のことを指している。

(翻訳編集・蘇文悦)