米上院外交委、対中圧力強化法案を可決 北京五輪への政府代表団派遣禁止を提言

2021/04/22
更新: 2021/04/22

米上院外交委員会は21日、賛成21、反対1で「2021年の戦略的競争法」を可決した。法案は、人権問題や略奪的な経済競争などをめぐって中国への圧力を強める目的とする。また、法案は、バイデン政権に対し、2022年北京冬季オリンピックに政府関係者を派遣しないよう求めた。

法案は、北京冬季五輪に外交上のボイコットを促すもので、選手の参加を禁止しないとしている。

外交委員会のロバート・メネンデス委員長(民主党)とジム・リッシュ筆頭委員(共和党)が8日、同法案を提出した。

メネンデス委員長は21日、同法案は米中関係を認識するための「正しい枠組みであり」「この圧倒的な超党派の投票により、同法案は、政治、外交、経済、技術革新、軍事、さらに文化などあらゆる面で中国側の挑発行為に対応する立法活動での最初の法案となった」と述べた。

米政府系機関である米国際宗教自由委員会(USCIRF)も21日、中国当局による新疆ウイグル自治区での人権侵害への抑制策として、バイデン政権に対し、来年の北京冬季五輪に政府代表団の参加を禁止するよう要求した。

USCIRFは年次報告書で米政府に、「組織的、継続的かつ重大な違反」を犯している中国政府機関と関係者に対して、経済制裁と査証(ビザ)制限などを実施するよう求めた。報告書は、中国が宗教迫害を続けるなら、米政府は北京冬季五輪に派遣しないことを表明するほか、「中国が五輪を開催することに懸念を表明するだろう」とした。

米国務省のプライス報道官は記者会見で、国務院は中国での宗教の自由を判断するのに、USCIRFの年次報告書を参考すると述べた。

いっぽう、上院外交委員会は21日に可決された法案の内容を公開していない。

15日に発表された同法案の草案によれば、法案は281ページに及び、5章から構成された。法案は、中国当局による略奪的な経済競争、悪意のある影響力の拡大、デジタル覇権、軍事拡張、台湾問題、香港および新疆ウイグル自治区での抑制政策などに対する対抗措置を提案する。

法案は、米企業の中国撤退や供給網(サプライチェーン)再構築のために、2022~27年まで、毎年1500万ドル(約16億2000万円)を拠出することを要請。また、「インド太平洋地域における米国の政治的目的を達成するために必要な軍事的投資を優先する」と強調し、同地域への安全保障関連の資金を大幅に増やし、台湾との関係を強化するよう求めた。

法案は外交委員会で可決された後、上院に送られた。

(翻訳編集・張哲)

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